【株式市場特集】成長戦略を積極開示した関連株に注目、下値をマークするチャンス
- 2022/4/25 10:20
- 特集
■リアルな「リベンジ投資」関連株は次のステージに名乗りを上げる展開へ
投資金額がホンダほど大規模ではないが、成長戦略を積極開示した関連株は多く、なかでもホンダ<7267>(東証プライム)同様に投資採算的にも割安水準の置かれている銘柄も目立つ。小型株が中心だがこのリアルな「リベンジ投資」関連株が、「アフター・コロナ」、「アフター・地政学リスク」の次のステージに名乗りを上げる展開も想定されることなる。前週末22日の米国市場で、ダウ工業株30種平均(NYダウ)が一時、1000ドル安と売られる大荒れとなり、週明けの東京市場も売り先行、ギャップダウン・スタートが予想され影響を受けそうだが、こうしたアゲインストな環境こそ下値をマークするチャンスとなりそうだ。
■半導体やEV関連で次々と新工場や新生産ライン新設を計画
「リベンジ投資」関連でまず注目は、ハイテク関連株だろう。投資規模はホンダほどではないが、それでも投資規模が大きい順に上げると、日本ピラー工業<6490>(東証プライム)は、105億円を投資して半導体製造装置向けのふっ素樹脂製の継手やポンプを製造する第2工場を建設し、ニッポン高度紙工業<3891>(東証スタンダード)は、80億円を投資してEV向けのアルミ電解コンデンサ用セパレートの新製造ラインを増設する。KOA<6999>(東証プライム)も、65億円を投資して固定抵抗器の新開発生産棟を建設し、半導体関連材料の新規研究・試作設備を増設する大阪有機化学工業<4187>(東証プライム)の投資額は36億円を予定している。また20億円を投資して半導体設備を増設するテラプローブ<6627>(東証スタンダード)は、熊本県と立地協定に調印し、それぞれ投資額が15億円となる山一電機<6941>(東証プライム)は、半導体テストソケットの新棟を建設し、ダイトーケミックス<4366>(東証スタンダード)は、ディスプレイ材料・電子材料の生産能力増強を計画している。PERは5倍台~14倍台に位置し、うちKOAは、前週末22日に3月期業績を発表しており、各社のこれからの決算発表も注目を怠れない。
バイオ関連株では、デンカ<4061>(東証プライム)が、約110億円を投資して抗原迅速診断キットの生産能力を2.5倍、検査試薬製品を同じく2倍に増強する。そのほか同社は、使用済みポリスチレン樹脂のケミカルリサイクルプラントの建設も決定した。日本動物高度医療センター<6039>(東証グロース)は、6億8300万円を投資して国内3番目となる大阪病院を建設する。神戸天然物化学<6568>(東証グロース)も、42億2600万円を投資して医薬品中間体製造設備などを増強するため島根県、出雲市と立地協定の覚書に調印した。
■鋼材、木材の素材関連でも能力増強投資が続き食品関連でも積極策
資源・素材関連では、日本コークス工業<3315>(東証プライム)が、約130億円を投資してコークス炉の更新工事を計画し、日本冶金工業<5480>(東証プライム)は、約110億円の戦略投資により薄板工場への新設備の導入や改造を計画している。また経済制裁への報復でロシアが、合板材の輸出を禁止し価格が再騰している木材関連では、エヌ・シー・エヌ<7057>(東証スタンダード)が、木構造技術センターを開設し、ウッドフレンズ<8886>(東証スタンダード)が、約60億円を投資し製材工場を建設、需要サイドのオカムラ<7994>(東証プライム)は、115億円を投資して家具工場の新工場棟を建設する。
食品でもマルハニチロ<1333>(東証プライム)は、ベーリング海のスケソウダラの漁獲権付き漁船9隻を取得(取得金額は非公表)し、わらべや日洋<2918>(東証プライム)は、投資金額を62億円に増額して米国東海岸エリアで新工場を建設する。このほか中古車販売のグッドスピード<7676>(東証グロース)は、11億5000万円を投資して大型専門店舗を開設し、高級タオル販売のカワサキ<3045>(東証スタンダード)は、17億円を投資して新倉庫を建設する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)