■6月下旬から7月上旬は大雨災害に警戒
ウェザーニューズ<4825>(東証プライム)は5月10日、2022年の「梅雨入り・梅雨明け見解」を発表した。今年は、5月上旬から前線が沖縄付近に停滞するようになり、沖縄で平年より早い梅雨入りとなった。今後、5月下旬から6月中旬にかけて梅雨前線が本州付近まで北上し、九州南部から東北まで平年並の梅雨入りとなる予想である。一方、7月は平年より早く太平洋高気圧が北への張り出しを強め、全国的に平年より早く梅雨明けする見込みである。
■梅雨の総雨量は平年並の予想
梅雨期間中の総雨量は、全国的に平年並となる予想である。雨のピーク時期は、沖縄・奄美で5月下旬、九州・中国・四国で6月下旬〜7月上旬、近畿から関東にかけて6月下旬、北陸・東北では6月下旬〜7月上旬になる予想である。各地方で大雨のおそれがあり、河川の増水、家屋への浸水、土砂災害などに注意が必要である。本格的な雨の季節に備え、側溝や雨どいの掃除など、対策を行っておくことをおすすめする。
【梅雨見解2022】
■梅雨明けは全国的に平年より早く、全国的に平年より短い梅雨に
今年は5月4日に沖縄で梅雨入りが発表され、過去10年間で最も早い梅雨入りとなった。これは、平年と比較すると6日早い梅雨入りである。今後、奄美から東北にかけての梅雨入りは平年並になる見込みである。
昨年は5月中旬に太平洋高気圧の勢力が強まり、前線の北上が早まったため、九州南部から中国・四国地方で平年より早く梅雨入りし、特に九州北部と四国地方では1951年の統計開始以降、最も早い梅雨入りだった。その後の前線の北上は遅く、近畿から東北にかけては、平年よりも遅い梅雨入りの所が多くなった。今年は、5月上旬から前線が沖縄付近に停滞するようになり、沖縄で平年より早い梅雨入りとなった。今後5月下旬から6月中旬にかけて梅雨前線が本州付近まで北上し、このタイミングで九州から東北まで梅雨入りすると見ている。
梅雨明けは全国的に平年より早い所が多くなる見込みである。また、昨年と比較すると沖縄から関東甲信は昨年同様か早く、北陸から東北は昨年より遅くなる。このため、梅雨期間は沖縄・奄美で平年並、九州から東北にかけては4日以上短くなる見込みである。
日本の天候に関係する熱帯の対流活動に注目すると、6月はフィリピン近海で活発になる傾向である。6月中旬にフィリピン近海の対流活動がピークになると見られ、このタイミングで太平洋高気圧が強まって前線が北上し、北陸から東北も梅雨入りする見込みである。7月はグアムの北から台湾にかけて対流活動が活発になるため太平洋高気圧も北への張り出しを強め、前線が北上する。平年より早く太平洋高気圧が北への張り出しを強め、各地で7月中旬に梅雨明けする見込みである。
■総雨量は全国的に平年並、6月下旬から7月上旬にかけて大雨災害に警戒
今年の梅雨期間の雨量は、全国的に平年並の予想である。
5月は、沖縄・奄美で梅雨前線の活動が活発化するため曇りや雨の日が多くなり、5月下旬には雨のピークを迎えて強い雨が降る可能性がある。6月は梅雨前線を押し上げる太平洋高気圧の北への張り出しが平年並で、前線は本州の南海上から本州付近に停滞する。6月下旬は前線に向かって南からの暖かく湿った空気が流れ込みやすく、前線の活動が活発化する日がある。このため、近畿から関東は6月下旬、九州南部から中国・四国は6月下旬から7月上旬まで大雨に警戒が必要である。7月は平年より早く太平洋高気圧が北への張り出しを強めるため、西日本や東日本は前線の南側に入り、平年より早く晴れる日が多くなりそうである。北陸や東北でも6月下旬から梅雨末期にかけて大雨に注意が必要である。
※見解は10日時点のものである。予測が大きく変わる可能性もあるので、最新見解は、スマホアプリ「ウェザーニュース」または、ウェザーニュースウェブサイト「梅雨情報」を確認。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)