クリナップは22年3月期大幅増益で増配、23年3月期も増益・増配予想
- 2022/5/11 08:43
- 決算発表記事情報
(決算速報)
クリナップ<7955>(東証プライム)は5月10日の取引時間終了後に22年3月期連結業績を発表した。需要が回復基調となり、リフォーム需要の獲得や原価低減などの効果も寄与して前回予想を上回る大幅増益で着地した。そして配当も上方修正した。23年3月期も増収増益・増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だったが、4月の安値圏から切り返しの動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。
■22年3月期は前回予想を上回る大幅増益、23年3月期も増益・増配予想
22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響軽微)は、売上高が21年3月期比8.8%増の1133億05百万円、営業利益が45.2%増の37億95百万円、経常利益が57.0%増の42億61百万円、親会社株主帰属当期純利益が80.7%増の31億55百万円だった。配当は期末3円上方修正して、21年3月期比3円増配の23円(第2四半期末10円、期末13円)とした。
政府による住宅取得支援策なども背景として新設住宅着工戸数が前年を上回るなど需要が回復基調となり、リフォーム需要の獲得や原価低減などの効果も寄与して前回予想(21年11月5日に上方修正、売上高1125億円、営業利益32億円、経常利益36億円、親会社株主帰属当期純利益23億円)を上回る大幅増益で着地した。部門別の売上高は、厨房部門が10.8%増の912億74百万円、浴槽・洗面部門が0.9%増の149億56百万円だった。
なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が3億53百万円減少、売上原価が1億29百万円増加、売上総利益が4億83百万円減少、販管費が73百万円減少、営業利益が4億10百万円減少、営業外費用が4億13百万円減少、経常利益と税金等調整前四半期純利益がそれぞれ3百万円増加している。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高が269億01百万円で営業利益が10億90百万円、第2四半期は売上高が280億36百万円で営業利益が10億76百万円、第3四半期は売上高が306億39百万円で営業利益が19億24百万円、第4四半期は売上高が277億29百万円で営業利益が2億95百万円の赤字だった。
23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比4.1%増の1180億円、営業利益が5.4%増の40億円、経常利益が4.9%増の44億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が1.4%増の32億円としている。配当予想は22年3月期比3円増配の26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。
需要回復基調で増収増益・増配予想としている。コロナ禍の不透明感、原材料・資材の供給不足や価格高騰などの影響を考慮して小幅増益予想にとどめているが、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は切り返しの動き
株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だったが、4月の安値圏から切り返しの動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。5月10日の終値は525円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS86円74銭で算出)は約6倍、そして時価総額は約197億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)