ソフトクリエイトホールディングスは23年3月期も収益拡大基調
- 2022/5/11 08:41
- 決算発表記事情報
(決算速報)
ソフトクリエイトホールディングス<3371>(東証プライム)は5月10日の取引時間終了後に22年3月期連結業績を発表した。ECソリューション事業、ITソリューション事業とも順調に拡大して大幅増益だった。23年3月期は開発費、広告宣伝費、採用費の増加など先行投資を考慮して小幅増益にとどまる見込みとしているが、保守的だろう。EC市場は拡大基調であり、企業のDX投資は高水準に推移することが予想される。会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の上場来高値圏から反落して水準を切り下げる形だが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。
■22年3月期大幅増益、23年3月期小幅増益予想だが上振れの可能性
22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載だが営業利益以下への影響軽微、4月18日に上方修正)は、売上高が212億26百万円、営業利益が21年3月期比24.9%増の40億30百万円、経常利益が28.2%増の41億61百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が30.0%増の23億63百万円だった。配当は21年3月期比10円増配の40円(第2四半期末20円、期末20円)とした。
なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が71億09百万円減少、売上原価が70億97百万円減少、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益がそれぞれ12百万円減少している。
収益認識基準適用のため見掛け上は減収の形(特にIT機器販売の売上が収益認識会計基準適用の影響で減少の形)だが、従来基準による売上高は16.9%増の283億円だった。ECサイト構築やECクラウドサービスへの投資需要が高水準に推移し、ECソリューション事業のECサイト構築「ecbeing」が拡大した。企業のDX投資で、セキュリティ・インフラ構築や子会社エイトレッド<3969>のワークフローサービスなどITソリューション事業も順調に拡大した。
セグメント別に見ると、ECソリューション事業は売上高が115億88百万円でセグメント利益(全社費用等調整前経常利益)が30.5%増の31億22百万円、ITソリューション事業は売上高が96億38百万円で利益が22.0%増の24億01百万円だった。
なお売上高の内訳(21年3月期は会計基準変更前、22年3月期は会計基準変更後で単純比較)は、ECソリューション事業(0.9%減の115.8億円)のECサイト構築が17.9%増の79.4億円、デジタルマーケティングが37.3%減の27.2億円、ECクラウドサービスが50.3%増の9.2億円、ITソリューション事業(23.2%減の96.4億円)のITクラウドサービスが24.6%増の16.5億円、セキュリティ・インフラ構築が20.5%増の46.0億円、ITパッケージが0.4%増の17.6億円、IT機器販売が71.1%減の16.3億円だった。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高が49億26百万円で経常利益が9億51百万円、第2四半期は売上高が53億51百万円で経常利益が11億98百万円、第3四半期は売上高が53億88百万円で経常利益が11億円、第4四半期は売上高が55億61百万円で経常利益が9億12百万円だった。
23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比10.5%増の234億60百万円で、営業利益が2.7%増の41億40百万円、経常利益が2.5%増の42億65百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が4.5%増の24億70百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の40円(第2四半期末20円、期末20円)としている
需要が高水準に推移して増収増益予想としている。製品機能強化・充実のための開発費の増加、知名度向上のための広告宣伝費の増加、積極的な人材採用に伴う採用費の増加など、先行投資を考慮して小幅増益にとどまる見込みとしているが、保守的だろう。EC市場は拡大基調であり、企業のDX投資は高水準に推移することが予想される。会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は戻り試す
株価は3月の上場来高値圏から反落して水準を切り下げる形だが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。5月10日の終値は3755円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS194円62銭で算出)は約19倍、時価総額は約517億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)