ジェイテックは23年3月期営業黒字転換、経常・最終大幅増益予想

(決算速報)
ジェイテック<2479>(東証グロース)は5月10日の取引時間終了後に22年3月期連結業績を発表した。前期比ではコロナ禍の影響で営業赤字拡大したが、前回予想に対しては業務効率化なども寄与して上振れ着地した。そして23年3月期は22年3月期との比較でコロナ禍の影響が和らぎ、大幅増収、営業黒字転換、経常・最終大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は地合い悪化も影響して小動きだが徐々に下値を切り上げている。23年3月期予想を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期は上振れ着地、23年3月期営業黒字転換予想

22年3月期連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響軽微)は、売上高が21年3月期比7.9%増の29億91百万円、営業利益が1億18百万円の赤字(21年3月期は56百万円の赤字)、経常利益が49.2%増の1億17百万円、親会社株主帰属当期純利益が43.0%増の57百万円だった。配当は21年3月期と同額の1円(期末一括)とした。

前期比では営業赤字拡大した。技術職知財リース事業のテクノロジストへの需要は旺盛だが、コロナ禍の影響で稼働日数・稼働時間が抑制された。特に新卒テクノロジストの稼働開始が当初計画よりも遅れたため人件費負担が発生した。さらに間接部門の人件費増加や新店舗開設に係る費用の発生も影響した。ただし営業外収益に雇用調整助成金収入2億06百万円を計上(前期は1億20百万円計上)して、経常利益と親会社株主帰属当期純利益は大幅増益だった。

なお前回予想(21年10月29日に下方修正)に対しては売上高が14百万円、営業利益が51百万円、経常利益が71百万円、親会社株主帰属当期純利益が38百万円それぞれ上振れて着地した。売上高は概ね前回予想水準だったが、業務効率化なども寄与して前回予想に比べて営業赤字縮小した。

セグメント別に見ると、技術職知財リース事業は売上高が9.1%増の29億58百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が17.5%減の2億60百万円、一般派遣およびエンジニア派遣事業は売上高が43.7%減の33百万円で利益が28百万円の赤字(21年3月期は23百万円の赤字)だった。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が7億01百万円で営業利益が80百万円の赤字、第2四半期は売上高が7億26百万円で営業利益が50百万円の赤字、第3四半期は売上高が7億82百万円で営業利益が20百万円の黒字、第4四半期は売上高が7億82百万円で営業利益が8百万円の赤字だった。

23年3月期連結業績予想は、売上高が22年3月期比17.0%増の35億円、営業利益が1億40百万円の黒字(22年3月期は1億18百万円の赤字)、経常利益が49.9%増の1億55百万円、親会社株主帰属当期純利益が54.3%増の93百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の1円(期末一括)としている。

コロナ禍の影響が23年3月末まで続くと仮定しているが、22年3月期との比較ではコロナ禍の影響が和らぎ、大幅増収、営業黒字転換、経常・最終大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。

■株価は下値切り上げ

株価は地合い悪化も影響して小動きだが徐々に下値を切り上げている。23年3月期予想を評価して出直りを期待したい。5月10日の終値は202円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS11円72銭で算出)は約17倍、時価総額は約17億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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