【注目銘柄】キムラユニティは連続最高純益・増配の支援で株式分割の権利取りが交錯

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 キムラユニティー<9368>(東証スタンダード)は、前日10日に28円安の1440円と続落して引けた。日経平均株価が一時、2万6000円台を下回るなど3営業日続落したことから、今年4月28日に年初来高値1522円まで買い進まれていた同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いた。ただ取引時間中の安値からは小戻して引けており、下値には今年6月末割り当てで予定している株式分割の権利取りの買い物が交錯した。今2023年3月期純利益が、連続過去最高更新と予想され、PER・PBR評価とも割り負けていることや連続増配を予定し高配当利回り水準にあることも、サポート材料視されている。

■トヨタの生産正常化で格納器具など物流サービス事業が増収増益

 株式分割は、同社株式の投資単位当たりの金額を引き下げることにより投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的にしており、6月30日を基準日に1株を2株に分割する。またこれと別の株主への利益還元策では、今2023年3月期の配当権利落ち後の配当を年間30円と予定しており、株式分割勘案の年間配当は60円(前期実績52円)と連続増配を予定している。

 一方、今2023年3月期業績は、売り上げ600億円(前期比5.1%増)、営業利益33億円(同12.3%増)、経常利益38億円(同3.5%増)、純利益25億円(同14.6%増)と見込み、純利益は、2期ぶりに過去最高を更新した前期純利益をさらに上回り連続過去最高となる。トヨタ自動車<7203>(東証プライム)系の物流会社として物流サービス事業が、トヨタの生産正常化とともに自動車部品の格納器具などを中心に売り上げ、営業利益が増収増益となり、自動車サービス事業も営業利益を伸ばし前期やや伸び悩んだ情報サービス事業や人材サービス事業も増益転換することなどが寄与する。

■PER6倍、PBR0.5倍、配当利回り4%の修正で上場来高値へ挑戦

 株価は、昨年9月に自民党の総裁選挙期待で日経平均株価が3万円台に乗せた好相場環境下で1579円高値まで上値を追い、その後の全般相場の調整とともに1173円安値まで下落したが、前期第3四半期の高利益進捗率業績と期末配当の増配発表で底上げに転じ、配当権利取りで1405円高値までリバウンドした。配当権利落ちでは1288円まで調整したが、今期業績の続伸予想と株式分割の権利取り効果で年初来高値1522円まで上昇し、昨年9月高値をも上回った。足元では1400円台央固めを続けているが、PERは6.8倍、PBRは0.5倍、年間配当利回りは4.1%と割り負けており、年初来高値を上回り昨年9月高値1579円抜けから2015年につけた上場来高値1678円へチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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