【編集長の視点】日本エム・ディ・エムは4連騰、1Q決算発表を先取り3月通期純益黒字転換買いが増勢

編集長の視点

日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は、21円高の556円と4営業日続伸して始まり、7月9日につけた年初来安値483円からの底上げをしている。きょう22日の日経平均株価が、前日の米国株安を受けて229円安と急反落していることに対して、東証1部上昇率ランキングの第11位にランクインするなど逆行高を鮮明化している。

同社は、今年7月30日に今3月期4~6月期(第1四半期、1Q)決算の発表を予定しているが、これを先取り今期通期純利益の黒字転換予想を見直し業績期待の買い物が増勢となっている。東海東京調査センターが、新規に最高位の「アウトパフォーム」で同社株を格付けし目標株価を670円としたことも支援材料視されている。

■自社製品比率をアップさせ販社からメーカーへの質的転換を加速

同社の業績は、前期に第2四半期累計業績を2回上方修正したのに続いて、3月通期業績も2回上方修正した。米国子会社ODEV社製の人工関節製品の国内売り上げが予想を上回って推移したことや、脊椎固定器具製品、骨接合材料も売り上げを伸ばしたことが要因となった。ただし2回目の3月通期業績の上方修正では、純利益のみ昨年10月の上方修正値を下方修正、3億9100万円の赤字(前々期は2億8600万円の黒字)とした。税制改革に伴う繰延税金資産の取り崩しが発生して法人税等調整額が9億7600万円増加したことが響いた。

これに対して今3月期業績は、売り上げ133億円(前期比12.2%増)、経常利益12億円(同10.4%増)、純利益7億円(前期は3億9100万円の赤字)と予想、売り上げ、経常利益は2ケタの続伸となるとともに、純利益は、水面上に急浮上する。ODEV社の供給体制を維持し、前期に80%まで高まった自社製品比率をさらにアップさせ収益性を高め、販売会社からメーカーへの質的転換を加速するとともに、売上原価低減に向け既存調達先との交渉や国内外での調達先の多様化を進め、想定為替レートを1ドル=120円(前期実績110.03円)に想定したことなどが寄与する。

この立ち上がりの今期1Q業績が、どのような業績水準となるか注目ポイントであり、前年同期は黒字転換して着地しており、この黒字幅をさらに拡大するか、7月30日の決算発表が待たれることになる。

■最上位投資格付けもサポートし25日線水準から昨年11月高値を目指す

株価は、昨年10月の前期業績の再上方修正で698円高値まで45%高し、今年4月の前期純利益の下方修正では3分の2押し水準の522円まで調整し、今期業績の続伸予想で585円とリバウンドしたものの、ギリシャ債務問題や中国株急落などによる全般相場波乱の影響を受け年初来安値483円へ突っ込み、25日移動平均線水準での下値固めを続けてきた。最上位投資格付け・強気の目標株価もサポートして年初来高値659円抜けから昨年11月高値698円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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