テンポイノベーションは23年3月期も実質増収増益予想

(決算速報)
テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は5月11日の取引時間終了後に22年3月期業績(非連結)を発表した。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借契約物件数が増加して、前回予想を上回る大幅増収増益だった。そして23年3月期(連結決算に移行)も実質増収増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く上値を切り下げる形だが、一方では下値固め完了感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期は大幅増収増益、23年3月期も実質増収増益予想

22年3月期の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が21年3月期比10.4%増の114億15百万円、営業利益が24.3%増の9億09百万円、経常利益が17.2%増の9億86百万円、そして当期純利益が15.1%増の6億62百万円だった。としている。配当は21年3月期比3円増配の12円(期末一括)とした。

コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が増加して、前回予想を上回る大幅増収増益だった。なお営業外費用で受取補償金が増加(前期は91百万円、当期は1億39百万円)し、営業外費用では支払補償費が増加(前期は55百万円、当期は1億08百万円)した。

店舗転貸借事業は売上高が9.2%増の104億45百万円でセグメント利益(営業利益)が46.1%増の7億23百万円だった。新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件件増加の1951件となった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店ニーズに対応して積極的な仕入を実行した。

不動産売買事業は売上高が25.3%増の9億70百万円で利益が21.3%減の1億86百万円だった。前期の高収益物件売却の反動で減益だが、店舗転貸借事業の推進に向けた不動産業者とのリレーションシップ強化を目的とする事業である。当期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円、第3四半期は売上高が27億62百万円で営業利益が2億円、第4四半期は売上高が29億86百万円で営業利益が2億68百万円だった。

22年3月期の連結業績予想(連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定としている。

コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、個人・小規模飲食事業者の出店ニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進し、転貸借契約物件数が順調に増加して実質増収増益予想としている。なお22年4月1日付で子会社の店舗セーフティーを設立し、店舗不動産の賃貸借における家賃保証事業を開始する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了

株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く上値を切り下げる形だが、一方では下値固め完了感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。5月11日の終値は807円、今期予想PER(会社予想のEPS41円37銭で算出)は約20倍、時価総額は約143億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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