三菱自動車工業<7211>(東証プライム)は5月12日、361円の21円高(6.18%高)と続伸。高値362円と買い進まれ、連日の年初来高値更新で3月8日につけた年初来安値253円から43%上昇している。
■今期営業増益を確保する見通し
5月10日大引後に2022年3月期決算を発表。今23年3月期営業増益を確保する見通しを好感した買いが入っている。
新型アウトランダーやエクスパンダ―の販売が貢献、値引き抑制効果にコスト改善効果が奏功、為替の円安がフォローとなり、前22年3月期売上高2兆0389億0900万円(前の期比40.%増)、営業損益873億3100万円(同953億2100万円の赤字)、経常損益1009億6900万円の黒字(同1052億0300万円の赤字)、最終損益740億3700万円の黒字(同3123億1700万円の赤字)に着地。配当は年間無配を継続。
今23年3月期売上高2兆2900億円(前期12.3%増)、営業利益900億円(同3.1%増)、経常利益930億円(同7.9%減)、純利益750億円(同1.3%増)を予想。ロシア情勢や半導体不足、原料価格の高騰等の影響を考慮したうえで、営業増益を確保する見通し。年間配当については、未定としている。
■全市場で出来高4位、短期筋のトレード対象に
12日の東京株式市場の出来高では、東京電力ホールディングス<9501>(東証プライム)を上回り、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東証プライム)に次ぐ出来高5位で騰勢を強めており、日経平均採用の低位株物色の流れに乗っている。
外国人持株比率は9.8%と比較的少なく、外部環境の影響を受けにくいことから、東京電力HDに次ぐ商いがこなせる短期筋のトレード対象と言える。
株価は、2021年11月25日高値426円から22年3月8日につけた年初来安値253円まで調整を挟んで上昇。今期配当含みと観測されているうえ、今期予想PER7倍台・PBR0.89倍と割安感がある。9か月移動平均線を完全に突破しており、「押さば買い」との投資姿勢が強まるか注目したい。(信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)