トーソーは23年3月期減益予想だが上振れ余地

(決算速報)

トーソー<5956>(東証スタンダード)は5月12日の取引時間中に22年3月期連結業績を発表した。非住宅分野を中心に売上が伸び悩み、原材料価格高騰なども影響して減益だった。ただしコストダウン効果などで各利益は上振れて着地した。23年3月期も原材料価格高騰の影響などを考慮して減益予想としている。ただしコストダウン効果などで上振れ余地がありそうだ。収益改善を期待したい。株価は決算発表を受けて急落の形となり、年初来安値を更新した。ただし売られ過ぎ感を強めている。目先的な売りが一巡して出直りを期待したい。

■22年3月期減益、23年3月期も減益予想だが上振れ余地

 22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響軽微)は、売上高が21年3月期比2.6%減の208億61百万円、営業利益が28.5%減の7億85百万円、経常利益が27.7%減の8億25百万円、親会社株主帰属当期純利益が29.2%減の5億31百万円だった。

 収益認識基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が46百万円減少、販管費が34百万円減少、営業利益が11百万円減少している。配当は21年3月期と同額の10円(第2四半期末5円、期末5円)とした。

 コロナ禍の影響で非住宅分野を中心に売上が伸び悩み、原材料価格高騰なども影響して減益だった。ただしコストダウン効果などで各利益は上振れて着地した。セグメント別に見ると、室内装飾関連事業は売上高が3.0%減の204億66百万円で営業利益が29.4%減の7億69百万円だった。その他は売上高が26.6%増の3億94百万円で営業利益が2.1倍の16百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が48億44百万円で営業利益が90百万円、第2四半期は売上高が51億03百万円で営業利益が1億45百万円、第3四半期は売上高が53億41百万円で営業利益が3億47百万円、第4四半期は売上高が55億73百万円で営業利益が2億03百万円だった。

 23年3月期の連結業績予想は売上高が22年3月期比3.1%増の215億円、営業利益が23.6%減の6億円、経常利益が23.6%減の6億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が21.0%減の4億20百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 原材料価格高騰の影響などを考慮して減益予想としている。ただしコストダウン効果などで上振れ余地がありそうだ。収益改善を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は決算発表を受けて急落の形となり、年初来安値を更新した。ただし売られ過ぎ感を強めている。目先的な売りが一巡して出直りを期待したい。5月12日の終値は471円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS46円95銭で算出)は約10倍、そして時価総額は約47億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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