星光PMCは22年12月期1Q減益だが利益進捗率高水準

(決算速報)
 星光PMC<4963>(東証プライム)は5月13日の取引時間中に22年12月期第1四半期連結業績を発表した。原材料価格高騰や成長投資費用増加などで減益だった。22年12月期は一時的に利益成長が減速する形だが、第1四半期の利益進捗率が高水準であり、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。さらに中期的に収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏だが、第1四半期減益に対するネガティブ反応は限定的だった。調整一巡して出直りを期待したい。

■22年12月期減益予想で1Q減益だが利益進捗率高水準

 22年12月期第1四半期の連結業績(収益認識会計基準適用だが影響軽微)は、売上高が前年同期比0.2%増の75億30百万円、営業利益が39.7%減の5億81百万円、経常利益が19.5%減の8億49百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11.2%減の6億21百万円だった。

 原材料価格高騰や成長投資費用増加などで減益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が45百万円減少、売上原価が44百万円減少、営業利益が1百万円減少しているが、経常利益、税金等調整前四半期純利益への影響はなかった。

 製紙用薬品事業は売上高が5.6%増の42億71百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が53.4%減の1億91百万円だった。需要は堅調だったが、原材料価格高騰の影響を受けた。樹脂事業は売上高が17.3%減の17億円で、利益が65.5%減の1億09百万円だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂の売上が減少した。化成品事業は売上高が10.6%増の15億58百万円で、利益が0.0%減の4億04百万円だった。売上面では主力製品の輸出売上が増加したが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けた。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が21年12月期比7.8%増の334億60百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が31.2%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が29.4%減の14億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 需要は堅調だが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などで減益予想としている。セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が10.8%増の194億52百万円でセグメント利益が42.2%減の6億90百万円、樹脂事業の売上高が6.3%増の85億95百万円で利益が17.2%増の9億41百万円、化成品事業の売上高が0.4%増の54億13百万円で利益が38.2%減の8億11百万円としている。

 製紙用薬品事業は原材料価格高騰やベトナム新工場立ち上げ費用などで一時的に減益、樹脂事業は高付加価値製品の販売拡大で原材料価格高騰の影響を吸収して増益、化成品事業は原材料価格高騰や設備投資増加に伴う償却費の増加で一時的に減益の見込みとしている。

 22年12月期は成長投資負担も影響して一時的に利益成長が減速する形だが、通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高22.5%、営業利益28.5%、経常利益39.3%、親会社株主帰属当期純利益42.2%だった。利益進捗率が高水準であり、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。さらに中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏だが、第1四半期減益に対するネガティブ反応は限定的だった。通期減益予想は織り込み済みであり、調整一巡して出直りを期待したい。5月13日の終値は563円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円48銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.8%、そして時価総額は約171億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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