綿半ホールディングスは23年3月期増収増益・連続増配予想

(決算速報)
 綿半ホールディングス<3199>(東証プライム)は5月13日に22年3月期連結業績を発表した。小売業における店舗改装費用、建設事業における資材価格高騰や工場再編成、貿易事業における前期特需の反動減などで営業・経常減益だった。配当は増配とした。23年3月期は増収増益そして連続増配予想としている。小売事業が堅調に推移し、受注好調な建設事業が回復する見込みだ。収益回復基調だろう。なお中期経営計画も公表している。株価は小幅レンジでモミ合う形だが、調整一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。

■22年3月期営業・経常減益、23年3月期は増収増益・連続増配予想

 22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載、利益への影響は軽微)は、売上高が1145億円、営業利益が21年3月期比26.8%減の24億01百万円、経常利益が16.8%減の29億36百万円、親会社株主帰属当期純利益が14.8%増の22億04百万円だった。配当は21年3月期比1円増配の21円(期末一括)とした。

 小売業における店舗改装費用、建設事業における資材価格高騰や工場再編成、貿易事業における前期特需の反動減などで前回予想を下回り、営業・経常減益だった。営業外収益では出資金運用益1億32百万円、特別利益では負ののれん発生益1億97百万円を計上、特別損失では減損損失2億63百万円が一巡した。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が13億20百万円減少、売上原価が10億83百万円減少、販管費が2億36百万円減少している。21年3月期を新基準で算出した場合、22年3月期は1.1%増収となる。

 小売事業は売上高が765億74百万円(木造住宅分野を建設事業に変更、21年3月期は779億24百万円、収益認識会計基準適用で13億20百万円減少)で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が22.0%減の18億15百万円だった。巣ごもり需要の反動減があったが、スーパーセンター化した八田店など改装店舗が好調に推移して売上高は前期並みを確保した。利益面は店舗改装費用などの影響で減益だった。

 建設事業は売上高が4.3%増の318億28百万円で、利益が28.1%減の8億47百万円だった。資材価格高騰や工場再編成の影響で減益だった。ただし受注高は88%増と好調に推移した。

 貿易事業は売上高が4.3%減の58億16百万円で、営業利益が24.7%減の6億97百万円だった。前期のコロナ禍に伴う医薬品安定供給確保のための在庫積み増し特需の反動減、原料価格・輸送コスト上昇、為替影響などで減収減益だった。

 なお全体業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が260億23百万円で営業利益が3億36百万円、第2四半期は売上高が278億11百万円で営業利益が4億16百万円、第3四半期は売上高が311億09百万円で営業利益が9億07百万円、第4四半期は売上高が295億57百万円で営業利益が7億42百万円だった。

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比9.2%増の1250億円、営業利益が22.8%増の29億50百万円、経常利益が14.1%増の33億50百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が2.1%増の22億50百万円としている。配当予想は22年3月期比1円増配の22円(期末一括)としている。連続増配である。
 
 セグメント別の計画は、小売事業の売上高が1.9%増の780億円でセグメント利益が0.6%増の18億26百万円、建設事業の売上高が25.9%増の400億85百万円で利益が71.5%増の14億53百万円、貿易事業の売上高が1.7%増の59億15百万円で利益が0.3%増の7億円としている。小売事業が堅調に推移し、受注好調な建設事業が回復する見込みだ。収益回復基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は小幅レンジでモミ合う形だが、調整一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。5月16日の終値は1335円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS113円31銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の22円で算出)は約1.6%、時価総額は約265億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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