うかいは22年3月期上振れ着地で赤字縮小、23年3月期は黒字転換予想

(決算速報)
 うかい<7621>(東証スタンダード)は5月18日に22年3月期業績(非連結)を発表した。コロナ禍で厳しい状況が継続しているが、影響が想定よりも小さく収まったため前回予想に対して上振れて着地した。21年3月期との比較では臨時休業の反動増などで2桁増収となり、営業・経常・最終赤字縮小した。23年3月期はコロナ禍の影響が徐々に和らいで黒字転換予想としている。収益回復基調だろう。なお22年4月にコミットメントライン契約を更新しているため資金面の不安はない。株価は地合い悪化も影響して小幅レンジでモミ合う展開だが下値を徐々に切り上げている。収益回復基調を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期は赤字縮小、23年3月期は黒字転換予想

 22年3月期の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが影響軽微)は、売上高が21年3月期比14.5%増の98億15百万円、営業利益が10億83百万円の赤字(21年3月期は11億99百万円の赤字)、経常利益が4億77百万円の赤字(同11億57百万円の赤字)、当期純利益が8億69百万円の赤字(同16億77百万円の赤字)だった。配当は無配とした。

 コロナ禍で厳しい状況が継続しているが、影響が想定よりも小さく収まったため、前回予想(3月9日公表)に対して上振れて着地した。前回予想に対して売上高は1億79百万円、営業利益は1億80百万円、経常利益は2億12百万円、当期純利益は1億91百万円、それぞれ上振れた。

 21年3月期との比較では、前年4月・5月に実施した臨時休業の反動増などで2桁増収となり、増収効果や経費削減効果などで営業・経常・最終赤字が縮小した。事業別売上高は事業本部(飲食事業部、物販事業部)が14.5%増の90億70百万円、文化事業(箱根ガラスの森)が14.0%増の7億44百万円だった。

 営業外収益では助成金収入が増加(前期は63百万円計上、今期は6億17百万円計上)した。特別利益では前期計上した助成金収入1億75百万円および災害による保険金収入1億23百万円が剥落した。特別損失では前期計上した臨時休業による損失5億58百万円が剥落した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高20億46百万円、営業利益5億01百万円の赤字、経常利益4億59百万円の赤字、四半期純利益4億63百万円の赤字、第2四半期は売上高が19億78百万円、営業利益5億78百万円の赤字、経常利益1億61百万円の赤字、四半期純利益1億65百万円の赤字、第3四半期は売上高33億28百万円、営業利益2億70百万円の黒字、経常利益3億72百万円の黒字、四半期純利益3億53百万円の黒字、第4四半期は売上高24億63百万円、営業利益2億74百万円の赤字、経常利益2億29百万円の赤字、四半期純利益5億94百万円の赤字だった。

 23年3月期業績(非連結)予想は売上高が22年3月期比34.4%増の131億94百万円で、営業利益が5億43百万円の黒字(22年3月期は10億83百万円の赤字)、経常利益が4億92百万円の黒字(同4億77百万円の赤字)、当期純利益が3億05百万円の黒字(同8億69百万円の赤字)としている。配当予想は未定としている。

 コロナ禍の影響が徐々に和らいで黒字転換予想としている。収益回復基調だろう。なお22年4月28日および4月30日に契約期限が到来したコミットメントライン契約を更新しているため資金面の不安はない。

■株価は下値切り上げ

 株価は地合い悪化も影響して小幅レンジでモミ合う展開だが下値を徐々に切り上げている。収益回復基調を評価して出直りを期待したい。5月18日の終値は3040円、今期予想PER(会社予想のEPS54円59銭で算出)は約56倍、時価総額は約170億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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