【注目銘柄】日本ケミコンは純益黒字転換業績を手掛かりに割安修正期待の下値買いが交錯

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 日本ケミコン<6997>(東証プライム)は、19日に27円安の1782円と反落して引けた。日経平均株価が、508円安と5営業日ぶりに大幅反落したことから、25日移動線を出没しもみ合っていた同社株も目先の利益を確定する売り物に押された。ただ取引時間中の安値1724円からは小戻して引けており、下値には同社の今2023年3月期純利益の2期ぶりの黒字転換予想を手掛かりに割安修正期待の買い物も交錯した。テクニカル的にも今年4月の1600円台からの底上げで25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、サポート材料となりそうだ。

■車載・ICT市場向けにアルミ電解コンデンサーが好調推移

 同社の3月期業績は、前2022年3月期業績が、今年2月の上方修正値を上ぶれて着地したあと、今2023年3月期業績は、売り上げ1550億円(前期比10.5%増)、営業利益93億円(同5.7%増)、経常利益82億円(同2.0%増)、純利益63億円(前期は121億2400万円の赤字)と見込み、純利益は、2020年3月期以来2期ぶりに黒字転換する。アルミ電解コンデンサーのトップ企業として、EV(電気自動車)向けの車載市場や、5G基地局やデータセンター向けのICT市場でアルミ電解コンデンサーの需要が好調に推移することが要因で、純利益は、前期に計上した米国での集団訴訟の和解金184億300万円が一巡して黒字転換する。

 配当は、中間配当を無配(前年同期実績0円)継続とし、期末配当は未定(前期実績0円)としており、2019年3月期以来の復配が実現するか、今後の業績動向とともに注目されることになる。

■GC示現で上昇トレンド転換しPERは5倍、PBRは0.8倍と上値余地

 株価は、昨年12月の米集団訴訟の和解金計上による前期純利益の赤字転換を嫌って、今年1月の年初来安値1513円まで約400円安し、前期第3四半期決算発表時の前期売り上げ、営業利益、経常利益の2回目の上方修正では2016円と2000円大台に乗せたが、全般相場の波乱展開とともに1527円まで再調整した。同安値では、売られ過ぎ修正に今期業績の続伸予想が加わり年初来高値2031円まで反発し、25日線が75日線を上抜くGCを示現したものの、日経平均株価が、2万6000円台を下回るなか戻り売りも出て、25日移動平均線を出没する動きを続けてきた。株価は、PER5.7倍、PBR0.8倍と割安であり、年初来高値2031円奪回へ再チャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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