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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォメーションクリエーティブは調整一巡して切り返し、マイナンバーやサイバーセキュリティ関連
- 2015/7/23 06:55
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
インフォメーションクリエーティブ<4769>(JQS)はソフトウェア開発やシステム運用を展開している。株価は急騰した4月の上場来高値から反落して調整局面だったが、7月9日の直近安値で調整が一巡して切り返しの動きを強めている。15年9月期増収増益予想であり、マイナンバー制度関連やサイバーセキュリティ関連としても期待される。
■ソフトウェア開発を中心にソリューションサービスを提供
ソフトウェア開発事業、システム運用事業、その他事業(パッケージ開発・販売)を展開し、顧客に常駐する型で情報サービス分野における総合的なソリューションサービスを提供している。顧客別に見ると日立システムズや日立ソリューションズなど、日立製作所<6501>グループ向けが全体の約6割を占めて収益源となっている。
14年6月には美容室・サロン向けスマホアプリ制作サービス「LAPPLI(ラプリ)」をリリースし、11月には美容サロンの情報を無料掲載できる美容ポータルサイト「LAPOLU(ラポル)」を開始した。スマホアプリ制作サービス「LAPPLI」との機能連携強化や美容情報などのコンテンツ充実により、15年9月末までに500店舗のサービス利用を目指すとしている。
15年5月には、CNプレイガイドを運営してチケッティングに関するソリューションサービスを提供するコミュニティ・ネットワーク(東京都)と、エンターテイメント市場に特化したチケッティングソリューションサービス事業領域において包括的業務提携した。
提携第1フェーズとして、当社の「チケット for Windows」とコミュニティ・ネットワークの「CNシステム」をシステム連動させた新たなチケット販売・管理ASPサービス「チケットGATE」の提供を開始する。座席登録、票券管理から発券・決済までチケット販売に関わるすべての業務を一本化して、全国のコンビニ約2万9000拠点を利用できる新チケッティングソリューションシステムだ。
さらに提携第2フェーズとして、チケット販売額の適正化・収益の最大化をサポートするイールドマネジメントシステムなど、多様化するチケット販売方法に適応する次世代型チケッティングシステムの開発を推進する方針だ。
■15年9月期は増収増益予想
今期(15年9月期)の非連結業績予想(11月7日公表)は売上高が前期比10.1%増の71億34百万円、営業利益が同17.1%増の4億05百万円、経常利益が同14.4%増の4億37百万円、純利益が同2.8倍の2億76百万円としている。配当予想は前期と同額の年間24円(期末一括)で予想配当性向は33.3%となる。
大型のIT関連投資案件が見込まれる金融機関向け、マイナンバー制度関連のシステム整備案件が見込まれる官公庁向けを中心として、ソフトウェア開発の需要が拡大する見通しだ。利益面では増収効果に加えて、前期の一部案件の作業超過発生の影響一巡も寄与する。純利益は前期計上の特別損失(ソフトウェア減損および投資不動産減損)一巡も寄与する。
第2四半期累計(10月~3月)は前年同期比5.3%増収、同13.1%営業増益、同20.3%経常増益、同80.8%最終増益だった。一部案件の売上計上が第3四半期(4月~6月)にずれ込んだため売上高は計画をやや下回ったが、第2四半期(1月~3月)に予定していた研究開発費が第3四半期以降にずれ込んだことや、保険積立金の見直しによる保険解約返戻金が発生したことも寄与して利益は計画を大幅に上回った。
四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(10月~12月)15億97百万円、第2四半期(1月~3月)18億22百万円、営業利益は第1四半期72百万円、第2四半期1億49百万円だった。
そして通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.9%、営業利益が54.6%、経常利益が57.9%、純利益が48.6%である。通期ベースでも好業績が期待される。
■長期ビジョンで100億円企業、東証2部上場を目指す
13年11月発表の新中期経営計画(14年9月期~16年9月期)では、基本戦略としてソフトウェア開発・システム運用などのITソリューション事業の安定成長、自社パッケージ開発・販売のITサービス事業の成長加速、強固な人材・組織基盤の構築を推進している。
経営目標値は16年9月期売上高80億円(ITソリューション事業76億円、ITサービス事業4億円)、売上高経常利益率8.0%を掲げ、長期ビジョンでは100億円企業、東証2部上場を目指している。中期的に収益拡大が期待される。
■株価は調整一巡して切り返しの動き
株価の動きを見ると、急騰した4月の上場来高値2517円から反落して調整局面だったが、全般地合い悪化の影響も受けた7月9日の直近安値1120円から切り返し、足元では1400円台まで戻している。調整が一巡して切り返す動きだ。
7月22日の終値1405円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS72円13銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(第2四半期末実績のBPS928円04銭で算出)は1.5倍近辺である。
日足チャートで見ると戻りを押さえていた25日移動平均線突破の動きを強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で長い下ヒゲをつけて切り返す動きだ。サポートラインを確認した形だろう。15年9月期増収増益予想であり、マイナンバー制度関連やサイバーセキュリティ関連としても期待される。