【株式評論家の視点】富士山マガジンは利益進捗率高く上振れの可能性、雑誌定期購読サイト好調

株式評論家の視点

富士山マガジンサービス<3138>(東マ)は、7月7日に東京証券取引所マザーズ市場に上場。国内最大級の雑誌定期購読サイト「/~\Fujisan.co.jp」を運営している。あらゆるジャンル、約10,000誌の雑誌を取扱うロングテールモデルで、原則的に自社在庫を持たず、取扱高に応じて出版社から業務報酬を受領している。定期購読契約継続率70%超と高い継続率に基づくストック型(Subscription型)のビジネスモデルとなっている。

国内雑誌販売市場は縮小傾向にあるが、インターネット経由の国内出版物販売額は増加基調で、前2014年12月期に続き、各マーケティングチャネルの充実、SEO対策やリテンション対策による雑誌購読者の定期購読者化、新規受注高の増加及び継続率の上昇による継続受注高増加のための各種施策を実施。さらに、Web経由以外で新規の雑誌定期購読者数を増やすために、出版社が管理する既存の定期購読顧客の管理を同社に移管し、同社が購読顧客の獲得、管理、配送までを一括で受ける「Fujisan VCS(Fujisan Value Chain Support)」の展開及び法人顧客開拓についても、引き続き注力している。

今2015年12月期第2四半期業績予想は、売上高が11億8500万円、営業利益が1億7500万円、経常利益が1億7500万円、純利益が1億1000万円を見込んでいる。

通期業績予想は、売上高が23億9300万円(前期比23.3%増)、営業利益が2億6900万円(同32.8%増)、経常利益が2億7000万円(同32.6%増)、純利益が1億5900万円(同26.0%増)を見込んでいる。

株価は、7月8日に公開価格の2650円の2.26倍相当の6000円で初値を付けた後、翌9日安値4200円と短期調整を挟んで7月17日高値7090円と上昇。その後、もみ合っている。UNITEDと同社の子会社ベンチャーユナイテッドが保有していた富士山マガジン株式全てを同14日までに売却済みで、需給面の重しが外れており、目先5500円割れが下値として意識されつつある。国内での電子雑誌販売額は2018年度に550億円に拡大する見通しで、中長期で成長が見込まれている。足元では、今12月期第1四半期業績が第2四半期計画に対して営業利益の進捗率は62.4%と順調に推移しており、8月13日に予定されている第2四半期決算の発表に期待が高まる。目先下値固めと見られるが、下押す場面は待ち伏せ買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃路)

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