【編集長の視点】リンテックは続落も1Q業績の2ケタ連続増益を見直し割安株買いが再燃余地

編集長の視点

リンテック<7966>(東1)は、34円安の2665円と4日続落して始まっている。きょう24日の日経平均株価が、前日の米国株安を受けて94円安と反落したスタートことから、同社株にも週末を控え目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ同社は、8月6日に今3月期4~6月期(第1四半期、1Q)決算の発表を予定しているが、今年7月1日に観測報道された1Qの連続2ケタ増益業績を手掛かりに下値に割安株買いも交錯している。今3月期通期業績が続伸し、年間配当も、54円(前期実績48円)へ連続増配を予定していることもフォローの材料視され、前期も1Q業績が、2ケタ増益と続伸して着地、市場コンセンサスを上回り急伸したことも連想されている。

■スマホ・タブレット向けが好調に続伸し円安進行も寄与

同社の1Q業績は、7月1日付けの日本経済新聞で観測報道され、売り上げが前年同期比5%増の520億円、営業利益が同13%増の45億円程度に続伸するとされた。半導体製造関連の粘着テープや積層セラミックコンデンサー製造用のコートフィルムが、スマートフォンやタブレット端末の需要増加とともに好調に伸び、為替レートも、今期通期想定レートの1ドル=115円より円安で推移したことなどが要因と分析された。株価は、この業績観測で2866円と上ぶれたが、ギリシャ債務問題や中国株急落による全般相場の大幅安が波及し一時的な反応にとどまった。前期1Q業績は2ケタ増収増益となり、営業利益が市場コンセンサスを上回ったことで350円高しているだけに、8月6日予定の今期1Q決算の動向が注目される。

この円安進行や1Qの続伸業績は、今3月期通期業績への期待も高める。今期通期業績は、期初に売り上げ2072億5500万円(前期比2.0%増)、営業利益185億円(同9.6%増)、経常利益183億円(同2.2%増)、純利益127億円(同8.9%増)と続伸が予想されている。為替相場が、ここにきて想定レートを10円程度下回る円安となっているためで、今年2月に期初予想を上方修正した前期と同様に上方修正期待も高まってくる。

■25日線水準からは下げ過ぎを示唆しPER15倍台の修正に再発進

株価は、今年2月の前期業績の上方修正・期末配当の増配を歓迎して年初来高値3090円まで急伸し、今期続伸業績が市場コンセンサスを下回ったことが響いて2810円と調整、25日移動平均線水準での値固めを続け、全般相場急落とともに25日移動平均線水準を下抜き2571円と突っ込みリバウンドを窺っていた。25日線からはなお4%弱のマイナスかい離となお下げ過ぎを示唆し、PERも15倍台と市場平均を下回っており、高値奪回に再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る