浜松ホトニクスは欧州企業へのM&Aなど好感され下値圏から大きく出直る

■2月以降は下げ止まっており新たな拡大期待が株価にも表出

 浜松ホトニクス<6965>(東証プライム)は6月27日、5550円(130円高)まで上げた後も上げ幅100円超で推移し、下値圏から大きく出直っている。24日の15時30分、欧州子会社Photonics Management Europe S.R.L(本社:ベルギー、欧州における域内統括・持株会社、以下PME)が、レーザ及びレーザ装置部品を製造、販売するNKTPhotonics A/S(本社:デンマーク、以下NKT Photonics社)を子会社化(孫会社化)すると発表し、好感買いが先行した。

 発表によると、NKT Photonics社は、超短パルスレーザ増幅用、ファイバー転送用の独自のフォトニック結晶ファイバー製造技術*を持つファイバーレーザメーカー。超短パルスレーザは、眼科手術用レーザとして使用され、さらに、半導体分野で新たに半導体ウェハの切断工程で求められるレーザとして、産業分野では高精度非熱加工用レーザとして応用展開されていく期待がある。また、主製品のスーパーコンティニューム光源は、半導体分野では3次元化される最先端半導体デバイスの検査用光源として使われている。同じく主製品の単一周波数ファイバーレーザは、量子コンピュータ分野においてイオンや原子のコールドトラップ(冷却捕獲)用レーザとして使われ、今後の市場拡大、成長が期待されている。

 株価は2022年1月の7500円を高値に調整相場が続いているが、2月以降は5500円前後で下げ止まっている。このため、今回のM&A(企業買収、合併)による新展開への期待が株価にも表出しやすかったようだ。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■離職率低下と顧客満足向上を実証、省人化潮流に逆行する人材重視戦略  「丸亀製麺」主力のトリドール…
  2. ■ビーム整形と出力平準化技術を融合し大気揺らぎを克服  NTT<9432>(東証プライム)と三菱重…
  3. ■航続距離650キロを実現、日野が新型FCV大型トラック投入  日野自動車<7205>(東証プライ…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る