マルマエは22年8月期3Q累計大幅増収増益

(決算速報)
 マルマエ<6264>(東証プライム)は6月30日の取引時間終了後に22年8月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。受注が好調に推移し、先行投資を吸収して大幅増収増益だった。そして通期の大幅増収増益予想を据え置いた。四半期別に見ると、第2四半期と第3四半期の営業利益が販管費の増加で伸び悩む形となったが、累計ベースでの通期予想に対する進捗率は順調である。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値を切り下げる形でやや軟調だが、好業績を再評価して出直りを期待したい。

■22年8月期3Q累計大幅増収増益、通期大幅増収増益予想据え置き

 22年8月期第3四半期累計の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響は軽微)は、売上高が前年同期比68.6%増の60億97百万円、営業利益が2.2倍の17億42百万円、経常利益が2.3倍の17億44百万円、四半期純利益が2.2倍の12億48百万円だった。受注が好調に推移し、先行投資を吸収して大幅増収増益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ40百万円減少しているが、影響は軽微である。

 全社受注高は68.9%増の72億18百万円(半導体分野が59.2%増の52億88百万円、FPD分野が64.0%増の12億74百万円、その他分野が3.8倍の6億54百万円)で、分野別売上高は半導体分野が55.4%増の45億38百万円、FPD分野が2.6倍の11億77百万円、その他分野が38.5%増の2億12百万円だった。半導体分野は良好な市場環境を背景に最高水準が継続し、FPD分野は市場環境改善とシェア拡大が牽引した。その他分野は太陽電池製造装置部品の受注が増加した。

 コスト面では、売上増加に伴って材料費、外注加工費、労務費が増加、設備投資に伴って減価償却費が増加し、さらに先行投資で販管費が増加(研究開発費、支払手数料、広告宣伝費などが増加)したが、大幅増収効果や稼働率上昇効果で吸収した。売上総利益率は4.5ポイント上昇して38.0%となった。販管費は32.7%増加したが、販管費比率は2.6ポイント低下して9.4%となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が19億38百万円で営業利益が5億95百万円、第2四半期は売上高が20億24百万円で営業利益が5億81百万円、第3四半期は売上高が21億35百万円で営業利益が5億67百万円だった。第2四半期と第3四半期の営業利益は販管費の増加で伸び悩む形となっているが、高水準を継続している。

 通期予想(収益認識会計基準適用だが損益への影響は軽微、22年4月15日付で上方修正)は据え置いて、売上高が21年8月期比54.6%増の83億円、営業利益が90.5%増の23億円、経常利益が90.5%増の22億86百万円、当期純利益が84.7%増の16億67百万円としている。配当予想(22年2月9日付で第2四半期末4円、期末4円、合計8円上方修正)は、21年8月期比20円増配の44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。

 受注が高水準に推移して大幅増収増益・過去最高更新予想としている。市場シェア拡大を目指して積極的な設備投資や人材投資を継続するが、大幅増収効果で吸収する見込みだ。分野別売上高の計画は半導体分野が43.5%増の60億58百万円、FPD分野が79.4%増の15億03百万円、その他分野が2.4倍の7億39百万円としている。なお、その他分野は受注残の大部分が第4四半期に検収予定としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が73.5%、営業利益が75.7%、経常利益が76.3%、当期純利益が74.9%となった。四半期別に見ると、第2四半期と第3四半期の営業利益が販管費の増加で伸び悩む形となったが、累計ベースでの通期予想に対する進捗率は順調である。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は出直り期待

 株価は上値を切り下げる形でやや軟調だが調整一巡感を強めている。好業績を再評価して出直りを期待したい。6月30日の終値は1980円、今期予想PER(会社予想のEPS130円17銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の44円で算出)は約2.2%、前期実績PBR(前期実績のBPS494円20銭で算出)は約4.0倍、そして時価総額は約258億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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