【編集長の視点】エスアールジータカミヤはもみ合いも1Q決算発表を控え連続最高純益を見直し下げ過ぎ訂正余地

編集長の視点

エスアールジータカミヤ<2445>(東1)は、2円高の714円と5営業日ぶりに反発して始まったあと7円安と下ぶれるなど前週末24日終値水準でもみ合いを続けている。

前週末の米国ニューヨーク・ダウ工業株30種平均の4日続落が響いて、きょう27日の日経平均株価が、219円安と続落してスタートしたことから、今年7月9日につけた東証1部への市場変更後・株式分割の権利落ち後の安値650円から底上げしている同社株にも目先の利益を確定する売り物が交錯している。ただ、同社は、今年8月7日に今3月期4~6月期(第1四半期、1Q)決算の発表を予定しており、この決算発表を控え、今3月通期純利益が、連続して過去最高を更新することを見直し下げ過ぎ訂正買いが再燃する展開も想定される。次世代足場「Iqシステム」のテレビCMを関東エリアで今年4月から展開、営業強化を進めていることや、今年7月23日に発表したフィリピン共和国のDAI社(パシッグ市)の株式取得・子会社化による海外事業強化も、買い手掛かりとなりそうだ。

■大型プロジェクト向けに「Iqシステム」を積極展開し海外需要も取り込む

同社の今期業績は、売り上げ390億円(前期比13.8%増)、営業利益38億円(同22.7%増)、経常利益37億円(同11.3%増)、純利益23億3000万円(同12.5%増)と続伸が予想され、純利益は、連続して過去最高を更新する。事業環境は、東京オリンピック、リニア中央新幹線などの大型プロジェクトを控え受注が堅調に推移する一方、労働者不足、建設資材高騰などにより着工時期や進捗が遅れるマイナスもあるが、前期にゼネコンに採用された「Iqシステム」を首都圏を中心にした再開発工事、耐震補強工事向けなどに積極展開、ASEAN地域の統括会社をシンガポールに設立し、海外でも仮設機材の需要を取り組むことなどが要因となるもので、DAI社の全株式を約4億5300万円で今年7月31日に譲り受けることも寄与する。

1Q業績は、前年同期に2ケタ増収増益で着地し、その後に東証1部への市場変更(2015年12月5日付け)、株式分割(1対2)と好材料が続く起点となり、株価も、株式分割の権利付き高値2017円まで5割高しており、8月7日発表の今期1Q業績の動向が注目される。

■25日線水準からPER13倍台の修正でリバウンド幅を拡大

株価は、権利落ち後高値1197円から中期経営計画の目標業績を労働者不足、資材価格高騰の環境変化に対応して下方修正したことで700円台央まで調整、さらにギリシャ債務問題、中国株下落による全般相場波乱の波及で分割落ち後安値650円へ突っ込んだ。安値から売られ過ぎとして25日移動平均線水準までリバウンドしたが、PERは13倍台となお下げ過ぎを示唆している。分割落ち後高値から同安値までの下げ幅の3分の1戻し、半値戻しとリバウンド幅を拡大する展開が想定される。(本紙編集長・浅妻昭治)

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