【注目銘柄】日本紙パルプ商事は連続過去最高更新の純益上方修正を見直す

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 日本紙パルプ商事<8032>(東証プライム)は、今年6月21日に今2023年3月期純利益の上方修正を発表し、期初の減益転換予想が増益を維持、前期に続く過去最高更新となることを見直し割安株買いが再燃している。PERは2.68倍の東証プライム市場の低PERランキングの第6位にランクインし、またテクニカル的にも5日移動平均線が、上昇転換した25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆していることも、フォローの材料となっている。

■経営資源の有効活用と資産効率の向上へ166億円の固定資産譲渡益

 今2023年3月期純利益の上方修正は、固定資産を譲渡し特別利益が発生することが要因となっている。経営資源の有効活用と資産効率の向上を図るために、同社が東京都中央区に保有する「フォアフロントタワー」など4物件を譲渡するもので、譲渡益は166億円となる。この結果、今期純利益は、期初予想の85億円から110億円引き上げて195億円(前期比69.5%増)と連続大幅増益となり、前期の過去最高を更新する。

 一方、純利益以外の今3月期業績自体は、売り上げ4447億5700万円(前期比3.9%減)、営業利益135億円(同4.0%減)、経常利益140億円(同7.0%減)と減収減益を見込んでいる。前2022年3月期業績が、世界各国で新型コロナウイルス対応の行動制限が緩和されたことに伴い紙・板紙需要が回復して販売数量増となり、需給ひっ迫による販売単価の上昇も加わって今年2月に上方修正され過去最高更新となっており、今期業績については、原燃料価格や物流費の高騰による製造・販売コストの増加から慎重な業績予想となっている。ただ配当については、前期に業績過去最高更新とともに期初予想の年間110円から115円(前々期実績110円)へ増配し、今期は年間120円へ連続増配を予定している。

■低PERランキング第6位の修正で「半値戻しは全値戻し」コース

 株価は、今年2月の前期業績の上方修正で年初来高値4225円と買われたが、ロシアのウクライナへの軍事侵攻による世界連鎖株安のなか下値調整が続き、今期業績の減益転換予想で年初来安値3555円へ突っ込んだが、今期純益の上方修正とともに底上げ、年初来高値から同安値までの調整幅の半値戻し水準をクリア、ミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆している。東証プライム市場の低PERランキング第6位の修正期待も加わって、相場格言の「半値戻しは全値戻し」通りの年初来高値奪回コースにチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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