トーセは22年8月期3Q累計大幅増益、通期も大幅増益予想

(決算速報)
トーセ<4728>(東証スタンダード)は7月7日の取引時間終了後に22年8月期第3四半期累計連結業績を発表した。モバイルコンテンツ関連における運営売上減少などで全体としても減収だが、家庭用ゲームソフトの複数の大型開発案件の順調な進捗、前期発生した大規模改修費用の縮小、取引価格の改善、開発の合理化などで大幅増益だった。そして通期も大幅増益予想としている。家庭用ゲームソフト関連が牽引し、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は徐々に下値を切り上げて戻り歩調だ。上値を試す展開を期待したい。

■22年8月期3Q累計大幅増益、通期も大幅増益予想

 22年8月期第3四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比4.6%減の40億05百万円、営業利益が2.4倍の2億64百万円、経常利益が2.4倍の2億80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が6.3倍の1億69百万円だった。

 売上面では、モバイルコンテンツ関連における顧客都合による開発中止案件(スマートフォン向けゲーム案件)の発生、運営売上の減少(前期中に運営終了となったタイトルあり)などで全体としても小幅減収となったが、利益面では、家庭用ゲームソフトの複数の大型開発案件の順調な進捗、前期発生した大規模改修費用の縮小、取引価格の改善、開発の合理化などで大幅増益だった。

 デジタルエンタテインメント事業は、売上高が2.6%減の37億20百万円で、営業利益が2.7倍の1億84百万円だった。売上高の内訳は、ゲームソフト関連が家庭用ゲームソフトの複数大型案件の進捗などで7.6%増の22億42百万円、モバイルコンテンツ関連が運営売上減少などで9.9%減の14億66百万円、パチンコ・パチスロ関連がゲームソフト関連への開発人員シフトなどで88.7%減の12百万円だった。

 その他事業は、売上高が25.2%減の2億84百万円で、営業利益が2.0倍の80百万円だった。SI事業が自社の業務システム開発にシフトしているため減収だが、家庭用カラオケ楽曲配信事業のロイヤリティ売上が高水準に推移した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が13億70百万円で営業利益が1億20百万円、第2四半期は売上高が12億68百万円で営業利益が24百万円、第3四半期は売上高が13億67百万円で営業利益が1億20百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年8月期比4.7%増の62億42百万円、営業利益が80.3%増の4億80百万円、経常利益が71.7%増の4億88百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が93.0%増の2億86百万円としている。配当予想は21年8月期と同額の25円(第2四半期末12円50銭、期末12円50銭)としている。

 なおセグメント別売上高の計画は、デジタルエンタテインメント事業が7.2%増の58億70百万円(内訳はゲームソフト関連が28.7%増の41億11百万円、モバイルコンテンツ関連が19.1%減の17億46百万円、パチンコ・パチスロ関連が89.7%減の12百万円)で、その他事業が22.6%減の3億72百万円としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が64.2%、営業利益が55.1%、経常利益が57.4%、親会社株主帰属当期純利益が59.1%だった。やや低水準だが、第3四半期から利益率が回復傾向であり、第4四半期にはゲームソフト関連において開発案件の内容充実やプラットフォーム展開の拡大などで売上増加を見込んでいる。家庭用ゲームソフト関連が牽引し、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は徐々に下値を切り上げて戻り歩調だ。上値を試す展開を期待したい。7月7日の終値は788円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円74銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS790円51銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約61億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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