【どう見るこの相場】今週は「感染爆発と熱波週間」?第7波関連株と熱中症関連株に緊急避難投資

どう見るこの相場

 「弘法も筆の誤り」という古色蒼然とした諺がある。名筆の誉れ高い弘法大師だが、それでも書き損じがあることを教えてくれている。最高権威、名人上手が、極く稀にみせるギャップが、人間味を感じさせ微笑ましいとも評価される側面にもなっている。兜町でも「当たり屋といわれたころから曲がり出し。曲がり屋といわれたころから当たり出し」という相場格言があって、当たり屋、曲がり屋の栄枯盛衰は、慣れっこの日常茶飯事となっている。

 弘法大師や兜町では許容度が高くても、専門家の見通しや判断に後々首を傾げさせられる例がなくはない。このところそうしたケースが、2つ相次いだ。時系列的にあげると一つは、今年6月27日に気象庁が発表した九州南部・東海・関東甲信地方の梅雨明け宣言である。梅雨明け宣言後に関東甲信地方は、梅雨寒ともいうべく気温が低下し、九州地方北部・中国・東北地方などに記録的短時間大雨情報が発令され、全国各地は土砂災害、浸水害、洪水災害などに見舞われ、新聞・テレビのヘッドラインでは「梅雨末期特有の大雨」と報道される始末である。

 天気予報を難しくさせているこの不安定な天気は、欧州でも熱波を発生させている地球規模の異常気象と無縁ではないらしい。欧州では各地で気温が40度を超え多数の死者や山火事の頻発が報告されているが、これは偏西風が北に蛇行したことのよって起こっていると分析されている。この偏西風の蛇行が今週、日本の上空に移動してきて欧州並みの猛暑、熱波を引き起こすかもしれないとする気象学者の警告も伝えられている。

 もう一つは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の「第7波」である。全国の新規感染者が、7月16日に11万676人と「第6波」のピークの今年2月5日の10万4202人を上回り過去最多となった。このときの厚生労働省の専門家会合の最終判断は、「行動制限の必要はない」であった。しかし新規感染者の拡大ペースは、その後も加速し7月23日には20万975人と連続の過去最高となった。

 経済活動の維持と感染対策との両立は可能との判断なのだろうが、感染封じ込めの「ゼロコロナ」政策でいまだにロックダウン(都市封鎖)から抜け出せない中国を反面教師となっている側面があるのかもしれない。ただテレビでは連日、全国各地の医療機関の病床ひっ迫が伝えられており、経済活動と感染対策の両立で「二兎追うものは一兎をも得ず」の結果にならないことを祈るばかりである。

 とういことで今週の当特集では、「いまそこにある」ともいえる2つの緊急事態の関連株にフォーカスすることにした。もちろん今週は、FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公開市場委員会)開催や大手企業の決算発表などのビッグ・イベントが控えている。とくにFOMCでの政策金利の引き上げ幅が、0.75%か1%かによっては米国長期金利が大きく変動し、ハイテク株のリバウンド期待も高まり東京市場にも波及してくる。しかし第7波の感染爆発に歯止めが掛からず、気象学者の警告通りに熱波到来となるとすれば、国民の健康と生命の社会問題は、経済問題以上により深刻化する。当特集は、7月11日付けで第7波関連株を取り上げたが、これに再注目し、熱中症関連株とともに緊急避難投資することも一法とすることとした。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■内蔵インヒールで自然な足長効果、フォーマルからビジネスまで対応  青山商事<8219>(東証プラ…
  2. ■デュアル周波数対応で通信の安定性を確保  世界的なDX進展を背景に京セラ<6971>(東証プライ…
  3. ■リアルタイム文字起こしと自動要約で議事録作成を効率化  シャープ<6753>(東証プライム)は2…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■低PER・高配当利回り、不動産・銀行株が市場を牽引  3月の東京都区部消費者物価指数が前年比2.…
  2. ■新年度相場のサブテーマは「物価」?!  米国のトランプ大統領は、「壊し屋」と奉る以外にない。その…
  3. ■新年度相場の初動として注目される値上げ関連銘柄  4月予定の値上げは、原材料価格上昇や物流費増加…
  4. どう見るこの相場
    ■トランプ関税懸念も『総論弱気、各論強気』の市場展開  「トランプ・ディール(取引)」と「トランプ…
  5. ■名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地  今年4月1日以降、来年4月1日まで社名変更を予…
  6. ■あの銘柄が生まれ変わる!市場を揺るがす社名変更、次なる主役は?  「トランプ・トレード」が、「ト…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る