ファンデリーは23年3月期1Q赤字、通期黒字転換予想据え置き

(決算速報)
 ファンデリー<3137>(東証グロース)は7月29日の取引時間終了後に23年3月期第1四半期業績(非連結)を発表した。コロナ禍の影響などで全体として売上が伸び悩み、各利益は赤字で着地した。ただし通期の黒字転換予想を据え置いている。MFD事業の再成長への回帰、CID事業の損益改善、マーケティング事業の伸長を推進する方針だ。コロナ禍影響の緩和や積極的な事業展開で収益回復を期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だが底固め完了感を強めている。第1四半期業績への反応は限定的だろう。出直りを期待したい。

■23年3月期1Q赤字、通期黒字転換予想据え置き

 23年3月期第1四半期の業績(非連結)は、売上高が前年同期比14.6%減の6億74百万円、営業利益が17百万円の赤字(前年同期は13百万円の赤字)、経常利益が28百万円の赤字(同15百万円の赤字)、そして四半期純利益が28百万円の赤字(同29百万円の赤字)だった。コロナ禍の影響で全体として売上が伸び悩み、各利益は赤字で着地した。

 MFD事業は売上高が9.0%減の5億68百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15.4%減の1億09百万円だった。コロナ禍に伴う外来患者減少などで病院等の紹介ネットワークを通じた新規顧客獲得が伸び悩んだ。CID事業は売上高が33.9%減の41百万円、利益が1億02百万円の赤字(同1億22百万円の赤字)だった。減価償却負担の減少で赤字縮小した。マーケティング事業は売上高が36.8%減の63百万円、利益が37.2%減の43百万円だった。業務受託案件が減少した。

 通期業績(非連結)予想は据え置いて売上高が22年3月期比2.5%増の32億円、営業利益が1億05百万円の黒字(22年3月期は1億77百万円の赤字)、経常利益が1億14百万円の黒字(同1億58百万円の赤字)、当期純利益が79百万円の黒字(同19億48百万円の赤字)としている。配当予想は復配の3円(期末一括)としている。

 セグメント別の計画は、MFD事業の売上高が22年3月期比0.5%増の24億58百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が1.7%増の5億27百万円、CID事業の売上高が4.1%増の2億42百万円で利益が4億83百万円の赤字(22年3月期は7億50百万円の赤字)、そしてマーケティング事業の売上高が12.3%増の5億円で利益が10.0%増の3億68百万円としている。

 MFD事業はプラス成長への回帰を目指す。22年4月から医療機関への訪問を再開し、さらに本社・大阪支社および新設した神奈川支社の3拠点で専任の担当者を配置した。CID事業は「AI旬すぐ」会員獲得や損益改善を推進する。電気調理鍋で手軽に料理できるミールキットの発売も開始した。マーケティング事業は第1四半期の案件が減少したが、受注が堅調であり、通期ベースでは過去最高を目指す。コロナ禍影響の緩和や積極的な事業展開で収益回復を期待したい。

■株価は底固め完了

 株価は安値圏でモミ合う形だが底固め完了感を強めている。第1四半期業績への反応は限定的だろう。出直りを期待したい。7月29日の終値は291円、今期予想PER(会社予想のEPS12円49銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の3円で算出)は約1.0%、前期実績PBR(前期実績のBPS99円25銭で算出)は約2.9倍、時価総額は約19億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る