星光PMCは戻り試す、22年12月期通期の経常・当期純利益予想を上方修正
- 2022/8/10 09:29
- 決算発表記事情報
(決算速報)
星光PMC<4963>(東証プライム)は8月9日の取引時間中に22年12月期第2四半期累計連結業績を発表した。原材料価格高騰の影響などで営業減益だったが、営業外での為替差益が増加して経常・最終増益だった。そして通期の経常利益および当期純利益予想を上方修正した。22年12月期は原材料価格高騰の影響で営業利益成長が減速する形だが、製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで中期的に収益拡大を期待したい。株価は7月の安値圏で底打ちして反発の動きを強めている。上方修正に対してもポジティブ反応となった。戻りを試す展開を期待したい。
■22年12月期通期の経常・当期純利益予想を上方修正
22年12月期第2四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用だが影響軽微)は、売上高が前年同期比6.4%増の159億38百万円、営業利益が25.5%減の11億20百万円、経常利益が6.9%増の17億45百万円、親会社株主帰属四半期純利益が22.7%増の13億06百万円だった。
差別化製品の市場投入効果なども寄与して増収だったが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で営業減益だった。ただし営業外収益で、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前年同期は58百万円計上、今期は4億90百万円計上)したため、経常利益と親会社株主帰属四半期純利益は増益だった。
製紙用薬品事業は売上高が9.6%増の92億29百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が37.1%減の4億41百万円だった。国内板紙向けの堅調な販売で増収だが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。樹脂事業は売上高が11.3%減の35億32百万円、セグメント利益が58.4%減の1億79百万円だった。粘着剤の売上が減少した。化成品事業は売上高が22.9%増の31億76百万円、セグメント利益が1.9%増の6億82百万円だった。主力製品の輸出売上増加などで大幅増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けて小幅増益にとどまった。
四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円だった。
通期の連結業績予想は、売上高が21年12月期比5.8%増の328億40百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が14.3%減の26億90百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が5.4%減の19億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。
8月9日付で売上高を6億20百万円下方修正、営業利益を据え置き、経常利益を5億30百万円上方修正、親会社株主帰属当期純利益を5億円上方修正した。売上高は前回予想を下回るが、営業利益は据え置いた。下期にナフサを中心とする原材料価格の一段の上昇が見込まれるが、製品価格への転嫁、差別化製品の拡販、諸経費の減少などで吸収が可能と見込んでいる。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については、第2四半期累計での為替差益計上を考慮した。なお第3四半期以降の為替レートは第2四半期末と同水準を想定し、下期の為替差損益発生を見込んでいない。
22年12月期は原材料価格高騰の影響で営業利益成長が減速する形だが、製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで中期的に収益拡大を期待したい。
■株価は戻り試す
株価は7月の安値圏で底打ちして反発の動きを強めている。上方修正に対してもポジティブ反応となった。戻りを試す展開を期待したい。8月9日の終値は563円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円97銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約171億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)