アイリッジは23年3月期通期大幅営業増益(レンジ)予想据え置き

(決算速報)
 アイリッジ<3917>(東証グロース)は8月12日の取引時間終了後に23年3月期第1四半期連結業績を発表した。新規事業領域への先行投資の影響などで赤字だった。ただし概ね計画水準だったとして、通期の大幅営業増益(レンジ)予想を据え置いている。大型案件の増加で下期偏重の計画としている。さらに下期は、子会社フィノバレーのデジタル地域通貨プラットフォーム事業が、期初想定以上に寄与する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発力が鈍くモミ合う形だが徐々に下値を切り上げている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■23年3月期1Q赤字だが通期大幅営業増益(レンジ)予想据え置き

 23年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比9.5%減の10億27百万円、営業利益が45百万円の赤字(前年同期は3百万円の黒字)、経常利益が43百万円の赤字(同0百万円の黒字)、親会社株主帰属四半期純利益が36百万円の赤字(同9百万円の赤字)だった。大型案件の増加で仕掛中案件が増加し、新規事業領域への先行投資の影響などで赤字だった。ただし概ね計画水準だったとしている。

 デジタルマーケティング領域中心の単体ベース売上高は3.4%増の7億30百万円だった。アプリ開発やアプリマーケティング関連が好調に推移した。FANSHIP導入アプリのMAU(FANSHIP導入アプリを月に1回以上起動しているユーザー数、四半期平均)は35.4%増の7834万ユーザーとなった。大型アプリの新規リリースに加えて、既存アプリの利用ユーザー数増加も寄与した。

 リアルプロモーション領域中心の連結子会社Qoil他の売上高(連結数値から単体数値を減じて算出、連結修正含む)は30.8%減の2億97百万円だった。コロナ禍の影響が継続して大幅減収だが概ね計画水準だった。

 なおストック型収益は13.7%増の4億57百万円(月額報酬・ライセンス等が34.7%増の3億22百万円、3ヶ月以上の準委任契約が17.7%減の1億35百万円)となり、ストック収益の売上構成比は9.0ポイント上昇して44.5%となった。FANSHIP導入アプリのMAU増加に伴ってストック型収益が拡大基調である。

 通期の連結業績予想(リアルプロモーション領域へのコロナ禍の影響の不透明感を考慮して売上高と営業利益はレンジ予想、経常利益と親会社株主帰属当期純利益は非開示)は据え置いている。売上高が63億円~68億円(22年3月期比16.2%増~25.4%増)で、営業利益が3億75百万円~4億75百万円(同9.6%増~38.8%増)としている。

 人材採用や新規事業領域への先行投資を継続するが、デジタルマーケティング領域の成長が牽引して大幅営業増益予想としている。第1四半期は赤字だったが、大型案件の増加で下期偏重の計画としている。さらに下期は、子会社フィノバレーのデジタル地域通貨プラットフォーム事業が、期初想定以上に寄与する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍くモミ合う形だが徐々に下値を切り上げている。目先的には第1四半期の赤字を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。8月12日の終値は814円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS471円41銭で算出)は約1.7倍、そして時価総額は約57億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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