【どう見るこの株】グッドスピードは戻り歩調、22年9月期大幅増収増益予想

どう見るこの株

 グッドスピード<7676>(東マ)は東海エリアを中心に自動車販売関連事業・附帯サービス関連事業を展開し、成長戦略としてMEGA専門店の新規出店などを推進している。22年9月期は小売販売台数増加などで大幅増収増益予想としている。第3四半期累計は大幅増収増益と順調だった。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は6月の年初来安値圏から切り返して戻り歩調だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■東海エリア中心に「安心・快適・楽しいカーライフ」提供

 クルマ・バイクにおける「安心・快適・楽しいカーライフ」の提供を掲げて、東海エリアを中心に、自動車販売関連事業(新車・中古車販売、買取)、附帯サービス関連事業(整備・鈑金・ガソリンスタンド、保険代理店、レンタカー)を展開している。

 20年4月に沖縄のエンジョイレンタカーからレンタカー事業を譲り受け、20年9月にカーステーションから大府店の車検・整備・鈑金・塗装等事業を譲り受けた。21年3月には輸入バイクのハーレーダビッドソンおよびベスパの正規ディーラーを運営するチャンピオン(現チャンピオン76、愛知県名古屋市)を子会社化した。

 22年8月13日時点で、子会社を含む拠点数は合計42拠点(本社1拠点、MEGA専門店9店舗、国産車専門店10店舗、輸入車専門店4店舗、バイク販売店7店舗、買取専門店2店舗、車検専門店3店舗など)となっている。MEGA専門店はフラッグシップと位置付ける大型販売店(展示台数常時200台以上)で、国産車専門店は取扱車種を主にSUVとミニバンに絞り込んでいることが特徴である。

 出店エリアは、東海エリア4県(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)を中心に、関西エリア(兵庫県)および沖縄県に展開している。23年には大阪府豊中市、福岡県福岡市へ進出予定である。さらに今後の展開として、関東地方への展開も推進してエリア拡大を図る方針としている。

■MEGA専門店を主軸に新規出店を推進

 中期経営計画では、23年9月期~24年9月期の目標として、売上高は毎期成長率20%以上、営業利益は毎期利益率改善、四輪小売販売台数は毎期成長率20%以上、MEGA専門店新規出店は毎期3店舗以上(23年9月期は4店舗以上)を掲げている。

 成長戦略として、MEGA専門店を中心とする新規出店の積極推進と小売販売台数の拡大、買取事業の強化とオートオークション会場依存からの脱却、バイク事業の強化、人材の確保・教育・育成、サービス拡充(サブスクリプションサービス、ガソリンスタンド、オリジナルキャンピングカー販売など)を推進している。また、附帯サービスを継続的に提供して顧客との接点を持ち、ストック型収益の積み上げを推進する。

■22年9月期大幅増収増益予想

 22年9月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが損益への影響軽微)は、売上高が21年9月期比34.0%増の600億円、営業利益が64.4%増の10億円、経常利益が72.8%増の7億70百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が20.5%増の4億60百万円としている。配当予想(8月12日付で期末10円上方修正)は復配の10円(期末一括)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比24.6%増の398億93百万円、営業利益が68.6%増の5億02百万円、経常利益が93.6%増の3億19百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.1%減の1億76百万円だった。自動車販売関連、附帯サービス関連ともに伸長して大幅増収、大幅営業・経常増益だった。

 自動車販売関連(新車・中古車販売、買取)は、売上高が24.6%増の372億78百万円、売上総利益が38.7%増の52億82百万円だった。売上総利益率は1.5ポイント上昇して14.2%となった。

 附帯サービス関連(整備・鈑金・ガソリンスタンド、保険代理店、レンタカー)は売上高が24.6%増の26億15百万円、売上総利益が21.2%増の13億44百万円だった。売上総利益率は1.4ポイント低下して51.4%となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高120億59百万円で営業利益97百万円、第2四半期は売上高137億68百万円で営業利益2億58百万円、第3四半期は売上高140億66百万円で営業利益1億47百万円だった。全体としての業績は拡大基調だが、四半期別に見ると新車・中古車販売は季節性で第2四半期および第4四半期の構成比が高い傾向がある。

 通期予想は据え置いている。第3四半期累計の進捗率は売上高が66.5%、営業利益が50.3%だが、第2四半期および第4四半期の構成比が高い傾向を考慮すれば順調な水準と言えるだろう。成長ドライバーであるMEGA専門店の新規出店を軸として、小売販売台数の増加、事業規模の拡大に取り組む方針としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り歩調

 株価は6月の年初来安値圏から切り返して戻り歩調だ。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して基調転換を確認した形だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。8月26日の終値は1799円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円87銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約0.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS578円01銭で算出)は約3.1倍、時価総額は約60億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る