巴工業は06年の高値も視野、22年10月期予想を上方修正して増益・増配予想

(決算速報)
 巴工業<6309>(東証プライム)は9月2日付で22年10月期連結業績予想を上方修正し、従来の減益予想から一転して増益予想とした。機械製造販売事業では海外向け一部案件が繰り延べとなるが、化学工業製品販売事業の好調が牽引する見込みだ。さらに再上振れの可能性もあり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお配当も上方修正して増配予想としている。株価は上方修正を好感して年初来高値を更新した。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。06年の上場来高値も視野に入るだろう。

■22年10月期予想を上方修正して増益・増配予想

 22年10月期連結業績予想(収益認識会計基準適用だが利益への影響軽微)は9月2日付で上方修正して、売上高が451億50百万円、営業利益が21年10月期比10.8%増の31億50百万円、経常利益が11.2%増の32億30百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が19.1%増の25億10百万円とした。

 従来の減益予想から一転して増益予想とした。従来予想に対して、売上高を55億円、営業利益を7億60百万円、経常利益を8億30百万円、親会社株主帰属当期純利益を5億50百万円、それぞれ上回る見込みだ。売上高は、機械製造販売事業が海外向けの一部案件繰り延べなどで従来予想(128億円)を12.5億円下回るが、化学工業製品販売事業は好調に推移して従来予想(265億80百万円)を67.5億円上回る見込みだ。利益面は化学工業製品販売事業の好調が牽引する。

 配当予想は期末3円上方修正して、21年10月期比3円増配の53円(第2四半期末25円、期末28円)としている。

 22年10月期は第12回中期経営計画の最終年度にあたり、世界経済の緩やかな回復を想定し、海外ビジネス拡大を推進する方針としている。通期予想はさらに再上振れの可能性もあり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は06年の高値も視野

 株価は上方修正を好感して年初来高値を更新した。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。06年の上場来高値3000円も視野に入るだろう。9月5日の終値は2480円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS251円55銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想53円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS3191円07銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約261億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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