【編集長の視点】グラファイトデザインは増益転換の業績上方修正を見直す

編集長の視点

 グラファイトデザイン<7847>(東証スタンダード)は、今年8月26日に発表した今2023年2月期業績の上方修正を見直し、期初の減収減益予想が増収増益に一変するとして割安修正期待の打診買いが再燃している。業績上方修正要因となった為替相場でさらに24年ぶりの円安・ドル高となっていることや、新型コロナウイルス感染症の水際対策が緩和され同社のゴルフクラブシャフトにプラスに働くこともサポート材料視されている。

■新製品が生産が追い付かないほど高人気化し円安・ドル高の為替差益もオン

 同社の今2023年2月期業績は、期初予想より売り上げを2億円、営業利益を1億7000万円、経常利益を2億6000万円、純利益を1億5300万円それぞれ引き上げ、売り上げ33億円(前期比6.5%増)、営業利益6億7000万円(同34.0%増)、経常利益7億6200万円(同51.8%増)、純利益5億600万円(同43.3%増)と見込み、期初の減収減益転換予想が、一転して大幅続伸となる。新型コロナウイルス感染症が第7波などと感染拡大するなか、ソーシャルディスタンスのアウトドアスポーツとしてゴルフ人気の回復が続いており、国内では4月に投入した新製品が、生産が追い付かず一時販売を停止するほどの人気になり、自社ブランドシャフト「Tour AD」DIシリーズが、米国市場で引き続き高人気となり、円安・ドル高に伴う為替差益を計上したことなどが寄与した。

 同社の配当は、前期業績が期中の2回の上方修正値を上ぶれて大幅続伸して着地し、業績に応じて特別配当を実施する配当方針に基づいた普通配当20円に特別配当15円を上乗せして年間35円(前々期実績20円)に大幅増配した。今期は、この特別配当を落とし年間20円と減配予想にあるが、今回の業績上方修正とともに特別配当の復活も期待できることになる。なお同社は、今期からなお配当方針を変更し、期末配当のみであったものを中間配当も実施することにしており、中間配当は10円を予定している。

■PER8倍、PBR0.8倍の修正で年初来高値を目指し上値トライも有力

 株価は、今年1月に発表した前期第3四半期の好決算を手掛かりに年初来高値737円まで買い進まれ、今期業績の減収減益転換予想で年初来安値503円まで調整したが、今期第1四半期の連続増収増益業績で639円まで買い直され、今期業績の上方修正とともに窓を開けて699円へ急伸した。足元では、この窓を埋める高値もみ合いを続けているが、PERは8.0倍、PBRは0.85倍、年間配当利回りは3.16%と割安である。直近高値639円抜けから年初来高値737円を目指し、一段の上値トライも有力となろう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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