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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】リミックスポイントは07年以来の高値圏で堅調、収益改善基調を評価
- 2015/7/30 08:58
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
リミックスポイント<3825>(東マ)は電力売買事業や中古車売買事業が拡大している。16年3月期は大幅増収増益予想で収益改善基調だ。株価は収益改善基調や株式5分割を評価して7月7日の550円まで上伸した。07年以来の高値水準だ。その後も高値圏450円~500円近辺で堅調に推移している。目先的な過熱感が解消して上値を試す展開だろう。なお8月13日に第1四半期(4月~6月)の業績発表を予定している。
■電力売買事業と中古車売買事業を拡大
エネルギー関連事業(エネルギー管理システム開発・販売、省エネルギー化支援コンサルティング、省エネルギー関連設備販売、電力売買)、および自動車関連事業(中古車査定システム開発・販売、中古車売買に関するコンサルティング、中古車売買)を展開している。
エネルギー関連事業に関しては、13年12月に商業用施設のエネルギー消費量削減に貢献できるエネルギー管理システム「ENeSYS(エネシス)」を開発した。
そして14年9月に特定電気事業者(PPS事業者)の日本ロジテック協同組合と省電力事業に関する業務提携契約を締結し、14年10月には発電事業者および電力卸売事業者から電力を調達して電力売買事業に参入した。
当面は日本ロジテック協同組合に対して供給し、他のPPS事業者に対する供給も順次拡大する方針だ。16年の電力小売完全自由化によって国内16兆円程度の電力小売市場が発生すると予想されているため、電力売買事業の拡大が期待される。
なお15年2月には、日本ロジテック協同組合の関係会社であるJLエナジー(JLE)社とエネルギー管理システム開発受託契約を締結した。日本ロジテック協同組合は組合員のための業務用・産業用電力の共同購買を行い、JLE社は電力小売事業を展開している。
自動車関連事業は14年12月に「IES中古車買い取りサービス」を開始した。07年販売開始した当社の中古車査定システム「IES」導入企業などのネットワークを活用して中古車売買事業の拡大を推進する方針だ。
■16年3月期は大幅増収増益予想で収益改善基調
15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)97百万円、第2四半期(7月~9月)1億67百万円、第3四半期(10月~12月)11億05百万円、第4四半期(1月~3月)25億79百万円、営業利益は第1四半期18百万円の赤字、第2四半期14百万円、第3四半期27百万円、第4四半期1億88百万円だった。新規事業推進による売上高の回復とともに営業損益は改善基調である。
また15年3月期の配当性向は8.9%だった。ROEは42.9%、自己資本比率は14年3月期末比24.7ポイント上昇して82.3%となった。なお15年3月期第3四半期累計(4月~12月)時点で継続企業の前提に関する疑義注記の記載を解消している。
今期(16年3月期)の非連結業績予想(5月18日公表)は、売上高が前期比2.5倍の100億46百万円、営業利益が同97.1%増の4億16百万円、経常利益が同2.0倍の4億13百万円、純利益が同60.9%増の3億65百万円としている。
配当予想については、6月8日に株式5分割(8月1日付)に伴う修正を発表して年間60銭(期末一括)とした。株式5分割を考慮すると実質的に前期と同額で、予想配当性向は6.2%である。
新規事業のPPS事業者向け電力売買事業や自動車関連事業者向け中古車売買事業の収益寄与が本格化して大幅増収増益予想だ。セグメント別売上高の計画は、エネルギー関連事業が同2.3倍の72億63百万円、自動車関連事業が同3.6倍の27億83百万円としている。増収効果で営業損益の一段の改善が期待される。
■8月1日付で株式5分割、株価は高値圏で堅調
14年9月発行の第三者割当による第6回新株予約権の行使は15年2月に完了している。また15年3月に東日本銀行から50百万円の借り入れ、15年4月に城北信用金庫との2億円の当座貸越契約締結を発表した。電力売買事業および中古車売買事業において想定以上の需要を受けているため、電力および中古車の仕入資金に充当する。
6月8日に株式分割を発表した。15年7月31日を基準日(効力発生日8月1日)として1株を5株に分割する。投資単位当たり金額の引き下げや流動性の向上を目的としている。5分割後の発行済株式総数は3772万500株となる。
また7月29日に主要株主の異動を発表した。7月28日付大量保有報告書により、第2位株主のダイマジン・グローバル・リミテッドの議決権数に対する保有割合が13.13%から9.86%に低下した。大株主順位は2位で変更はない。
株価の動き(株式5分割の遡及修正後)を見ると、収益改善基調や株式5分割発表を評価する形で水準を切り上げて、7月7日の550円まで上伸した。07年以来の高値水準だ。その後も高値圏450円~500円近辺で堅調に推移している。
7月29日の終値468円を指標面(株式5分割後)で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS9円72銭で算出)は48倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60銭で算出)は0.1%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式5分割を考慮したBPS23円33銭で算出)は20倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。また週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。収益改善基調を評価して上値を試す展開だろう。