マーケットエンタープライズが大株主の売却を「差金決済型自社株価先渡取引」で吸収

ビジネス 万年筆 メモ

■SBI証券が「立会外終値取引」で買い需給バランス崩れるリスクを回避

 マーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)は9月15日の正午、「差金決済型自社株価先渡取引に際して行われる当社株式の立会外終値取引(ToSTNeT-2)による取得結果」を発表し、同社普通株式40万株(自己株式を除く発行済株式総数の7.5%)をSBIホールディングス<8473>(東証プライム)の(株)SBI証券が東証「ToSTNeT-2」(立会外終値取引)を通じて1株907円で同日朝取得したと明らかにした。

 15日のマーケットエンタープライズの株価は、朝方に934円(27円高)まで上げて出直りを強め、その後も堅調で14時過ぎには920円(13円高)前後の推移となっている。

 マーケットエンタープライズ(以下、当社)の大株主であるYJ1号投資事業組合より、信託期間の満了を理由に同組合が保有する当社株式を売却したいという意向が寄せられたが、売却希望株数40万株と、当社発行済株式総数の7.5%となることから、かかる株式が市場に放出されることは当社株式の需給バランスが崩れ、適正な株価形成を妨げる可能性に繋がると考えた。そこで、当該リスクを回避しつつ、今後の機動的な資本政策の遂行に向けた施策について当社の主幹事証券であるSBI証券に相談した。そして、9月14日開催の取締役会で、(株)SBI証券との間で、『差金決済型自社株価先渡取引』に係る契約(以下「本契約」という)を締結することを決議した。

 SBI証券に相談したところ、同社が当該株式を保有する期間中のヘッジとして、マーケットエンタープライズとの間で本契約を締結することを条件として、一時的に当社株式を保有することを応諾した。

 その前提として、SBI証券より、本契約によって、株式の時価評価が当社の当期損益に影響があることの説明は受けたが、

・大株主の市場売却による株価形成への影響を避けること、

・2024年6月期に売上高200億円、営業利益12億円とすることを目標とする中期経営計画に照らし、その初年度である2022年6月期は想定どおりの推移となったこと、

を主な理由として、このスキームを採用することが妥当であると判断した結果、本契約の締結に至った。

 なお、本契約に伴いSBI証券が行う当社株式の取得は完了した。SBI証券はマーケットエンタープライズ株式を最大40万株取得したが、あくまでも本契約と対をなすものであり、SBI証券との資本業務提携等を意図するものではないとした。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る