ヤマシタヘルスケアホールディングスは23年5月期1Q大幅増益で通期上振れの可能性

(決算速報)
 ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、9月30日の取引時間終了後に23年5月期第1四半期連結業績を発表した。一般消耗品分野や低侵襲治療分野が伸長して増収・大幅増益だった。通期予想は据え置いて、コロナ対策補助金による一時的な対策需要が見込めないため減収減益予想としている。ただし第1四半期が大幅増益で進捗率も高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高いだろう。なお、超音波を用いた医療用機器の開発・販売を行うマイクロソニックへの出資も発表している。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新する展開だが売られ過ぎ感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■23年5月期1Qは大幅増益、通期減益予想だが上振れの可能性

 23年5月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比4.5%増の134億71百万円、営業利益が28.5%増の2億59百万円、経常利益が24.3%増の2億74百万円、親会社株主帰属四半期純利益が14.5%増の1億65百万円だった。

 診療報酬改定に伴う医療材料償還価格引き下げ、コロナ禍に伴う営業活動への制約などのマイナス要因があったが、コロナ対策補助金による医療機関の設備投資が継続したことに加えて、半導体不足の影響で前期末に発生していた納期遅延製品の入荷販売が進んだことも寄与して主力製品が伸長した。増収効果で大幅増益だった。

 医療機器販売業は、売上高が4.8%増の134億46百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が20.6%増の4億87百万円だった。売上高の内訳は、一般機器分野が6.7%減の14億35百万円、一般消耗品分野が1.9%増の58億99百万円、低侵襲治療分野が12.8%増の34億11百万円、専門分野が11.1%増の24億28百万円、情報・サービス分野が8.5%減の2億70百万円だった。

 医療機器製造・販売業は売上高が1.3%減の71百万円で利益が3.1%減の5百万円、医療モール事業は売上高が0.1%増の16百万円で利益が87.4%減の0百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年5月期比3.7%減の531億17百万円、営業利益が43.6%減の5億25百万円、経常利益が43.5%減の5億66百万円、親会社株主帰属当期純利益が43.2%減の3億95百万円としている。配当予想は22年5月期比36円減配の46円(期末一括)としている。

 コロナ関連以外の診療や手術症例等については堅調に推移するが、コロナ対策補助金による一時的な対策需要が見込めないため減収・大幅減益予想としている。ただし保守的だろう。通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が25.4%、営業利益が49.3%、経常利益が48.4%、親会社株主帰属当期純利益が41.8%である。第1四半期が大幅増益で進捗率も高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高いだろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新する展開だが売られ過ぎ感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。9月30日の終値は1508円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS154円92銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の46円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3126円18銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約38億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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