【どう見るこの株】KHCは戻り試す、23年3月期増収増益予想

 KHC<1451>(東証スタンダード)は兵庫県を地盤として注文住宅建築請負などの住宅関連事業を展開している。23年3月期は増収増益予想としている。主力の住宅請負が好調であり、第1四半期が原価率改善も寄与して大幅増益と順調だったことを勘案すれば、通期予想の達成は可能だろう。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は9月初めに動意づいて年初来高値を更新する場面があった。その後は買いが続かず反落の形となったが、一方では着実に下値を切り上げている。指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■兵庫県を地盤として住宅関連事業を展開

 兵庫県明石市を地盤として住宅関連事業を展開する持株会社である。1次取得層向けを中心とする注文住宅建築請負、分譲用土地(住宅請負に係る土地、建売住宅の土地)および分譲用建物(建売住宅の建物)の販売を展開している。なお親会社はJAG(旧日本アジアグループの事業を継承して21年11月に発足した企業集団)である。

 22年3月期の売上高の内訳は住宅請負が64億56百万円、分譲用土地が43億33百万円、分譲用建物が9億60百万円、その他が1億38百万円、売上総利益の内訳は住宅請負が15億03百万円、分譲用土地が2億73百万円、分譲用建物が2億円、その他(仲介手数料等)が1億36百万円だった。完成引き渡し数は住宅請負が250棟、分譲用土地が268区画、分譲用建物が51棟だった。

■23年3月期増収増益予想、1Q大幅増益と順調

 23年3月期連結業績予想は売上高が22年3月期比3.1%増の122億60百万円、営業利益が6.7%増の6億円、経常利益が3.6%増の5億40百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.1%増の3億51百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の33円(第2四半期末15円、期末18円)としている。

 住宅請負や分譲用建物の好調、さらに原価率の改善なども寄与して増収増益予想としている。売上高の計画は住宅請負が2.4%増の66億09百万円、分譲用土地が0.9%増の43億72百万円、分譲用建物が18.7%増の11億40百万円、その他が0.5%増の1億38百万円、売上総利益の計画は全社が4.9%増の22億16百万円、住宅請負が6.5%増の16億円、分譲用土地が4.8%減の2億60百万円、分譲用建物が8.3%増の2億16百万円、その他が1.5%増の1億38百万円としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比14.1%減の23億09百万円、営業利益が58.8%増の1億09百万円、経常利益が54.8%増の96百万円、親会社株主帰属四半期純利益が55.8%増の58百万円だった。

 分譲用建物の引き渡しが減少し、分譲用土地の引き渡しも造成工事遅延などで減少したため全体として減収だったが、主力の住宅請負が好調に推移し、原価率の改善も寄与して大幅増益だった。売上高の内訳は住宅請負が21.7%増の16億84百万円、分譲用土地が54.9%減の4億44百万円、分譲用建物が44.3%減の1億60百万円、その他が34.4%減の19百万円だった。完成引き渡し数は住宅請負が43棟増加の90棟、分譲用土地が44区画減少の28区画、分譲用建物が8棟減少の8棟だった。

 通期予想は据え置いている。第1四半期の進捗率は低水準の形だが、第4四半期の構成比が高い特性がある。主力の住宅請負が好調であり、第1四半期が原価率改善も寄与して大幅増益と順調だったことを勘案すれば、通期予想の達成は可能だろう。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は9月初めに動意づいて年初来高値を更新する場面があった。その後は買いが続かず反落の形となったが、一方では着実に下値を切り上げている。指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。9月30日の終値は619円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS88円69銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の33円で算出)は約5.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1494円60銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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