エスプールは22年11月期3Q累計2桁増収増益と順調
- 2022/10/5 08:52
- 決算発表記事情報
(決算速報)
エスプール<2471>(東証プライム)は、10月4日の取引時間終了後に22年11月期第3四半期累計連結業績を発表した。ビジネスソリューション事業の障がい者雇用支援サービスが牽引し、新規事業も寄与して2桁増収増益と順調だった。そして通期の2桁増収増益予想を据え置いた。新規事業も含めたビジネスソリューション事業の拡大によって利益上振れを目指すとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だが調整一巡感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。
■22年11月期3Q累計は2桁増収増益と順調、通期も2桁増収増益予想
22年11月期第3四半期累計の連結業績(収益認識会計基準を適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比11.0%増の200億19百万円、営業利益が17.7%増の22億74百万円、経常利益が16.7%増の22億72百万円、親会社株主帰属四半期純利益が14.0%増の14億44百万円だった。
人材ソリューション事業がやや苦戦したが、ビジネスソリューション事業の障がい者雇用支援サービスが牽引し、新規事業も寄与して2桁増収増益と順調だった。売上総利益率は3.0ポイント上昇した。
ビジネスソリューション事業は売上高が35.5%増の72億43百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が48.0%増の20億53百万円だった。障がい者雇用支援サービスの売上高は31.8%増の39億37百万円だった。設備販売の多くは農園開設が集中する第4四半期となるが、ストック収入となる管理料が順調に増加した。なお期末時点の農園数は34施設、顧客数は482社、管理区画数は5773区画、就業者数は2886名となった。ロジスティクスアウトソーシングサービスの売上高は6.2%増の9億84百万円だった。低採算案件の整理など事業基盤再構築に取り組み、顧客の入れ替えを進める中で増収を確保した。採用支援サービスOMUSUBIの売上高は11.8%減の4億22百万円だった。コロナ禍の影響で減収だった。新規事業の広域行政BPOサービスの売上高は6億05百万円、環境経営支援サービス(ブルードットグリーン)の売上高は6億39百万円だった。広域行政BPOサービスはセンター開設が進展し、通期売上計画にほぼ到達した。環境経営支援サービスは環境情報開示の重要性の高まりを背景に、コンサルティング業務が急拡大して通期計画を大幅に上回った。
人材ソリューション事業は売上高が1.1%増の128億73百万円で、営業利益が11.2%減の13億22百万円だった。主力のコールセンター業務は6.4%増の112億71百万円だった。累計ベースでは増収だったが、第3四半期は新型コロナ感染対策関連のスポット案件の縮小、新規案件獲得の遅れ、新型コロナ感染再拡大による欠勤急増などにより14.5%減と落ち込んだ。販売支援の売上高は携帯販売業務の回復遅れで29.7%減の9億34百万円だった。
四半期別に見ると、第1四半期売上高が65億20百万円で営業利益が6億71百万円、第2四半期は売上高が71億45百万円で営業利益が8億94百万円、第3四半期は売上高が63億54百万円で営業利益が7億09百万円だった。なお第2四半期は売上高、営業利益とも過去最高だった。
通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年11月期比15.7%増の287億70百万円、営業利益が19.9%増の32億円、経常利益が18.8%増の31億76百万円、親会社株主帰属当期純利益が13.4%増の21億33百万円としている。主力事業が好調に推移して、売上高は10期連続、営業利益は7期連続で過去最高更新を目指す。配当予想は21年11月期比2円増配の8円(期末一括)としている。
ビジネスソリューション事業は売上高が25.4%増の96億50百万円で営業利益が22.2%増の25億92百万円の計画としている。売上高の内訳は、障がい者雇用支援サービスが20.1%増の55億円、ロジスティクス分野が13.1%増の14億27百万円、採用支援サービス「OMUSUBI」が4.0%増の6億41百万円、新規事業の広域行政BPOサービスが6億65百万円、環境経営支援サービスが3億84百万円としている。
障がい者雇用支援サービスは通期ベースでの新規開設が8農園(屋外5、屋内3)で、設備販売は1250区画の計画としている。さらなる経営資源投下によって計画上振れを目指す。ロジスティクス分野では再成長に向けた事業基盤構築を推進し、小型低採算案件の整理に着手する。採用支援サービス「OMUSUBI」では業務量回復を見据えて応募受付システムを一新し、生産性向上を図る。広域行政BPOサービスと環境経営支援サービスは、来期に向けて営業強化・案件積み上げに注力する。
人材ソリューション事業は売上高が11.6%増の192億40百万円で営業利益が11.9%増の21億37百万円の計画としている。売上高の内訳は、コールセンター業務が13.3%増の164億50百万円、販売支援が9.6%増の18億30百万円、その他が9.2%減の9億60百万円としている。コールセンター業務におけるスポット案件の一巡で第3四半期はやや苦戦の見込みとしているが、継続的成長に向けた体制整備に注力する。
第3四半期累計の進捗率は売上高が69.6%、営業利益が71.1%、経常利益が71.5%、親会社株主帰属当期純利益が67.7%だった。期初時点で下期偏重の計画だったことを勘案すれば概ね順調な進捗である。第4四半期については人材ソリューション事業がやや苦戦する見込みだが、障がい者雇用支援サービスにおいて設備販売が第4四半期に集中する計画であり、新規事業も含めたビジネスソリューション事業の拡大によって利益上振れを目指すとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は調整一巡
株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だが調整一巡感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。10月4日の終値は1061円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円01銭で算出)は約39倍、今期予想配当利回り(会社予想の8円で算出)は約0.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS76円94銭で算出)は約14倍、そして時価総額は約838億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)