【話題株】東京都競馬がネット馬券システムなど寄与し6割増益

話題株

■「スパットフォー」拡大、今秋には大井競馬場の新スタンドや「愛犬」新施設が開業

東京都競馬<9672>(東1)は31日前場、4%高の296円(12円高)まで上げ、7月21日以来の290円台回復となった。昨30日に発表した第2四半期の連結決算(2015年1月~6月)が営業・経常利益とも63%増益になり、12月通期の予想を増額修正。インターネット経由で勝馬投票券(馬券)が買える在宅投票システム「SPAT4(スパットフォー)」の新システムが15年2月に稼働を開始した効果などが現われてきた形だ。

「SPAT4」はインターネットや携帯端末、一般電話によって勝馬投票券を購入でき、代金の引き落としや賞金の入金などとも連動する在宅投票システム。開始当初は南関東地区の4競馬場(大井、浦和、船橋、川崎)のみの取扱いだったが、14年から地方競馬全場の発売が開始され、さらに「トリプル馬単」などの新たな投票方式の開始、現金やグッズに交換できるポイント制度の開始などと機能が拡充してきた。このシステムによる売上高は12年12月期に700億円台に乗り、15年12月期には840億円台に乗るペースで拡大し、会社側にとってはコストを低下させ収益力を拡大するツールとして寄与している。

15年12月期の連結売上高の見通しは、当初の182億8800万円を2%近く引き上げて185億9500万円の見込み(前期比では4.4%増)とし、営業利益は同じく40億9500万円を17%引き上げて47億9200万円の見込み(同10.7%増)に、純利益は同じく26%引き上げて26億2200万円の見込み(同43.2%増)に引き上げた。この期は中期3カ年計画の3年目に当たり、数値目標として掲げた売上高170億円、営業利益32億円は前期で達成。残る目標の純利益20億円も今期での達成が濃厚になってきた。

不確定要因としては、国内の水浴型レジャーランドの中で入場者数が上位3指に入る「サマーランド」(東京都あきる野市)の売上高が夏の3ヵ月間で7割集中するため「8月の天候が問題」(同社)という。しかし、この「サマーランド」の夏季集中型を平準化する目的で、敷地内に愛犬とともに自然との共生が楽しめる複合アウトドアレジャー施設「わんダフル・ネイチャーヴィレッジ」を15年10月にプレオープンし、16年春にはグランドオープンする予定。ナイター競馬を開催する大井競馬場に建設中の新スタンドの15年11月開業と合わせ、来期以降の展開が注目されている。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■内蔵インヒールで自然な足長効果、フォーマルからビジネスまで対応  青山商事<8219>(東証プラ…
  2. ■デュアル周波数対応で通信の安定性を確保  世界的なDX進展を背景に京セラ<6971>(東証プライ…
  3. ■リアルタイム文字起こしと自動要約で議事録作成を効率化  シャープ<6753>(東証プライム)は2…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■低PER・高配当利回り、不動産・銀行株が市場を牽引  3月の東京都区部消費者物価指数が前年比2.…
  2. ■新年度相場のサブテーマは「物価」?!  米国のトランプ大統領は、「壊し屋」と奉る以外にない。その…
  3. ■新年度相場の初動として注目される値上げ関連銘柄  4月予定の値上げは、原材料価格上昇や物流費増加…
  4. どう見るこの相場
    ■トランプ関税懸念も『総論弱気、各論強気』の市場展開  「トランプ・ディール(取引)」と「トランプ…
  5. ■名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地  今年4月1日以降、来年4月1日まで社名変更を予…
  6. ■あの銘柄が生まれ変わる!市場を揺るがす社名変更、次なる主役は?  「トランプ・トレード」が、「ト…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る