【引け後のリリース】資生堂がシンガポールに拠点を設立し世界6地域体制に

引け後のリリース

■四半期に1度開示する「海外の足元状況」も発表

 資生堂<4911>(東1)は31日の取引終了後、シンガポールに「資生堂アジアパシフィック」を設立したと発表した。6地域本社体制の導入でグローバルマーケティングカンパニーの実現を加速する。本日の株価終値は小反落の3000.5円(26.5円安)だったが、30日に3100.0円まで上げて株式分割などを考慮した上場来の高値に進んだ。

 同社は、アジアパシフィック地域におけるマーケティングを強化すべく、本年6月、シンガポールに地域本社の中核となる「資生堂アジアパシフィック」を設立した。アジアパシフィック地域の統括機能や、展開ブランドのマーケティング機能を日本本社より移管、地域に権限を大幅に移譲することで、意思決定や改革のスピードを加速させる。これにより早期にアジアのお客さまに愛されるブランドを育成し、市場の成長を上回るスピードでビジネスを拡大する。

今回の「資生堂アジアパシフィック」の設立により、日本、中国、アジア、米州、欧州、トラベルリテールの6つの地域におけるマネジメント体制が整った。これにより資生堂グループは 2016年よりグローバルマーケティングカンパニーとして地域本社体制を本格稼動すべく準備を加速していく。

 また、同日付で四半期に1度更新(1月、4月、7月、10月)する「海外の足元状況」の最新版(第2四半期、2015年4~6月)を開示した。 発表によると、2015年度第2四半期の海外売上は、中国、米州で前年を下回る一方、欧州は前年並みとなり、アジア(中国除く)は前年を上回る実績となった。

 中国では、事業基盤の再構築に向けて、代理商との取引制度を改定し、専門店や代理店が発注を控え、在庫縮減を進めたことにより、前年を大きく下回った。一方、アジア(中国除く)では、市場が緩やかな成長を続ける中、トラベルリテール事業が大きく伸長したことに加え、「アルティミューン」の好調継続によりグローバルブランド「SHISEIDO」が成長性を維持し、地域全体で前年を上回った。

 米州では、市場が堅調に推移する中、「NARS」が成長性を維持したものの、「ベアミネラル」が前年同期に「ベアスキン」を発売した反動の影響を受けたことなどにより、地域全体では前年を下回った。一方、欧州では、南欧を中心に市場が縮小する中、ドイツやスペインが苦戦した一方で、イタリアは好調に推移し、地域全体では前年並みとなった。

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