【株式市場特集】年初来安値更新銘柄のリターン・リバーサル(逆張り)と年初来高値更新銘柄のトレンドフォロー(順張り)

 週明けの東京市場は、取り敢えずギャップアップしてスタートするとして、そのなかで米国市場のトレンド転換の予兆を確かめ、試してみたい定石がある。前週末21日に年初来安値を更新した銘柄のリターン・リバーサル(逆張り)と、同じく年初来高値を更新した銘柄のトレンドフォロー(順張り)である。相場アノマリーでは、下げた株ほど良く戻し、上げている株ほど騰勢に加速がつくとするのがセオリーとなっているからである。

 なかでも年初来安値更新銘柄である。21日の東証プライム市場では28銘柄に達した。足元の今年10月相場のプライム市場では、3連休明け後の11日にNYダウが、その前の週末にNYダウが630ドル安と3日続落した影響で487銘柄を数え、12日には前日に米10年国債利回りがやや低下したことで84銘柄に縮小し、翌13日は同米長期金利の4%台乗せで133銘柄に増加し、その後の日経平均株価の2万7000円台乗せで10銘柄まで減少して前週末は28銘柄に漸増している。年初来安値更新銘柄のリーターン・リバーサルは、10月相場では3回目となり、にもかかわらずそれでま継続して安値更新したり戻りの鈍い銘柄は、「3度目の正直」のトライとなる。

 安値更新の28銘柄には、ファンダメンタルズ的にも下げ過ぎが明らかな銘柄も多く、また逆に21日に年初来高値を更新した30銘柄にはなお割安を示唆する銘柄も含まれており、近く予定されている今期四半期決算の発表日をウオッチしつつそれぞれファースト・チョイス、セカンド・チョイスの逆張り、順張りの両立て対応も一考余地がありそうだ。

 安値更新の28銘柄には、ファンダメンタルズ的にも下げ過ぎが明らかな銘柄も多く、また逆に21日に年初来高値を更新した30銘柄にはなお割安を示唆する銘柄も含まれており、近く予定されている今期四半期決算の発表日をウオッチしつつそれぞれファースト・チョイス、セカンド・チョイスの逆張り、順張りの両立て対応も一考余地がありそうだ。

■日経225採用銘柄、バリュー株、好信用取組株などターゲット

 年初来安値更新銘柄でリターン・リバーサルへの期待が高いトップ・グループは、まず日経225採用銘柄だろう。明治ホールディングス<2269>(東証プライム)、旭化成<3407>(東証プライム)、SMC<6273>(東証プライム)、ミネベアミツミ<6479>(東証プライム)が該当する。このうち旭化成はPERが7倍、年間配当利回りが3.8%と割安で、SMCはPER20倍と万年割高だが、今期第1四半期純利益が64%増益で着地しており、11月14日発表予定の第2四半期決算が要注目となる。ミネベアミツミは、今期第1四半期純利益が26%減益となったが、その後、固定資産売却益130億4500万円の発生を発表しており、やはり11月2日発表予定の第2四半期決算の動向がクローズアップされる方向にある。

 PER評価が9倍~10倍、年間配当利回りが3%以上のバリュー株としては松井建設<1810>(東証プライム)、トーカロ<3433>(東証プライム)、アサヒホールディングス<5857>(東証プライム)、ライフコーポレーション<8194>(東証プライム)が上げられ、ブルドックソース<2804>(東証プライム)と丸三証券<8613>(東証プライム)は、薄めながら株不足で逆日歩のつく好需給となっており、売り方の買い戻しがリターン・リバーサルに拍車を掛ける可能性もある。

■セカンド・チョイスでは直近IPO株、高利回り株の高値更新組も

 一方、年初来高値更新の30銘柄のうち、ファンダメンタルズ的に順張り妙味を示唆している銘柄は11社に達する。ソシオネクスト<6526>(東証プライム)は、今年10月12日に公開価格3650円で新規株式公開(IPO)され、以来上場来高値追いとなっているが、PERは12倍、年間配当利回りが3.2%となお割安である。

 このほか低PER・高配当銘柄をあげると、今期業績を上方修正したIDEC<6652>(東証プライム)、カナデン<8081>(東証プライム)、西本Wismettacホールディングス<9260>(東証プライム)以下、朝日工業社<1975>(東証プライム)、サムティ<3244>(東証プライム)、ジェイ・エス・ビー<3480>(東証プライム)、日本信号<6741>(東証プライム)、MrMax<8203>(東証プライム)、NTT<9432>(東証プライム)、JBCCホールディングス<9889>(東証プライム)と続き、業種、値ごろともバライティに富む。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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