JSPは原材料価格高騰で23年3月期2Q累計大幅減益、通期は売上高予想を上方修正だが利益予想を下方修正
- 2022/11/1 10:28
- 決算発表記事情報
(決算速報)
JSP<7942>(東証プライム)は10月31日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。2桁増収だが原材料価格高騰の影響をカバーできず大幅減益だった。通期予想は売上高を上方修正、利益を下方修正した。製品価格改定も寄与して売上高は前回予想を上回るが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響により減益幅が拡大する見込みとした。24年3月期の収益回復を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。23年3月期減益予想を織り込み済みであり、利益予想下方修正に対するネガティブ反応は限定的だろう。
■23年3月期2Q累計大幅減益、通期利益予想を下方修正
10月31日に発表した23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比15.4%増の642億52百万円、営業利益が53.0%減の14億04百万円、経常利益が39.6%減の18億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益が39.5%減の13億78百万円だった。高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず大幅減益だった。
押出事業は売上高が10.8%増の208億57百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が27.8%減の10億61百万円だった。食品トレー向け製品、産業資材製品、土木分野向け製品など、高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益だった。
ビーズ事業は売上高が19.0%増の402億20百万円、利益が61.2%減の7億58百万円だった。主力のピーブロックは自動車分野において自動車生産調整の影響を受けたが、非自動車分野が増加した。製品価格改定効果も寄与して大幅増収だったが、原材料価格高騰の影響をカバーできず大幅減益だった。
その他は売上高が4.5%増の31億73百万円、利益が34.8%増の84百万円だった。自動車部品輸送関連など一般包材の需要が好調に推移した。
なお四半期別に見ると、第1四半期売上高が309億77百万円で営業利益が7億64百万円、第2四半期は売上高が332億75百万円で営業利益が6億40百万円だった。
通期連結業績予想は10月31日付で売上高予想を上方修正、利益予想を下方修正し、売上高が22年3月期比14.8%増の1310億円、営業利益が30.3%減の32億円、経常利益が24.0%減の37億円、そして親会社株主帰属当期純利益が6.7%減の27億円とした。配当予想は据え置いて22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。
前回予想(売上高1280億円、営業利益43億円、経常利益45億円、親会社株主帰属当期純利益31億円)に対して、売上高を30億円上方修正、営業利益を11億円下方修正、経常利益を8億円下方修正、親会社株主帰属当期純利益を4億円下方修正した。製品価格改定も寄与して売上高は前回予想を上回るが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響により減益幅が拡大する見込みとした。24年3月期の収益回復を期待したい。
■株価は下値固め完了
株価は反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。23年3月期減益予想を織り込み済みであり、利益予想下方修正に対するネガティブ反応は限定的だろう。10月31日の終値は1453円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円58銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約456億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)