【注目銘柄】南陽は4期ぶり最高純益更新・連続増配を見直し下げ過ぎ修正の反発

 南陽<7417>(東証スタンダード)は、前日7日に11円高の1808円と反発して引け、6月20日につけた年初来安値1755円に並ぶ安値水準での下値固めから出直る動意を示した。同社株は、今年10月24日に今2023年3月期業績の上方修正と増配を発表したが、材料出尽くしとして下値を探る展開が続いた。しかしこの上方修正で今期純利益が、4期ぶりに過去最高を更新することや、増配で年間配当利回りが、東証スタンダード市場の高配当利回りランキングの50位にランクアップしたことを見直し下げ過ぎ修正買いが入った。テクニカル的にも、ここまで上値抵抗線となってきた25日移動平均線を窺っており、上抜けばトレンド転換が期待できると注目されている。

■災害復旧工事で建機レンタルの稼働率がアップし半導体向けも好調―

 同社の今3月期業績は、期初予想より売り上げを20億円、営業利益を1億円、経常利益を2億円、純利益を1億円それぞれ引き上げ、売り上げ390億円(前期比12.0%増)、営業利益27億円(同12.5%増)、経常利益29億円(同9.0%増)、純利益18億5000万円(同6.3%増)と見込み、純利益は、2019年3月期の過去最高(18億600万円)を更新する。建設機械事業では、九州熊本地区を中心に災害復旧工事需要が継続して建機レンタルの稼働率がアップし、産業機器事業でも、半導体メーカーの積極的な設備投資を受け市場が好調に推移したことなどが寄与した。

 業績の上方修正とともに今期配当も、連結配当性向30%を目安としている配当政策に従って期初予想に5円上乗せして年間88円(前期実績82円)への増配を予定し、連続増配幅を拡大させる。

■上値抵抗線の25日線を上抜きPER6倍、PBR0.5倍の修正に再発進

 株価は、昨年8月の熊本県の大雨災害に関連して2116円高値まで買われ、前期業績の上方修正でも2098円高値をつけたが、その後の決算発表のたびに下値を探り年初来安値1755円まで調整した。同安値からは、下げ過ぎ修正と今期第1四半期の大幅続伸業績を支えに1940円まで持ち直したものの、10月の今期業績の上方修正では材料出尽くし感を強めてほぼ往って来いと売られ、ダウントレンドの25日線に上値を抑えられる展開が続いた。PERは6.2倍、PBRは0.55倍、配当利回りは4.86%と売られ過ぎを示唆しており、今年2月につけた年初来高値1956円を目指し底上げを続けよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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