クレスコは23年3月期2Q累計が2桁増収・2桁営業増益と順調、通期予想据え置きだが上振れの可能性

(決算速報)
 クレスコ<4674>(東証プライム)は11月7日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。営業外費用でのデリバティブ評価損や特別損失でのコーポレートロゴ変更費用などで経常・最終減益だが、需要が高水準に推移して2桁増収・2桁営業増益と順調だった。通期予想は据え置いて増収増益・連続増配予想としている。企業のDX投資は高水準に推移する見込みであり、年度末にあたる第4四半期の構成比が高くなる特性なども勘案すれば、通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏で軟調だが、好業績を評価して出直りを期待したい。

■23年3月期2Q累計が2桁増収・2桁営業増益と順調、通期予想据え置き

 23年3月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比10.7%増の233億09百万円、営業利益が11.3%増の22億45百万円、経常利益が4.8%減の21億16百万円、親会社株主帰属四半期純利益が8.6%減の14億67百万円だった。

 営業外費用でのデリバティブ評価損3億72百万円の計上(第1四半期計上の4億84百万円からは損失縮小)や、特別損失でのコーポレートロゴ変更費用1億13百万円の計上などで経常・最終減益だったが、需要が高水準に推移して2桁増収・2桁営業増益と順調だった。

 ITサービス事業は売上高が10.0%増の222億92百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が11.1%増の29億62百万円だった。

 このうちエンタープライズ区分は、売上高が0.6%減の88億98百万円、営業利益が0.5%減の11億07百万円だった。流通サービス、公共、建設・不動産分野で新規案件を獲得したが、人材紹介・人材派遣分野や運輸分野での大型案件収束、一部不採算案件発生に伴う営業機会ロスなどが影響した。

 金融区分は、売上高が9.9%増の71億72百万円、営業利益が4.9%増の8億64百万円だった。銀行・保険分野でのクラウド基盤構築・移行案件の増加に加えて、証券・カード等分野でも案件が増加した。

 製造区分は、売上高が29.7%増の62億21百万円、営業利益が36.0%増の9億90百万円だった。機械・エレクトロニクス分野や自動車・輸送機器分野での新規顧客からの受注や、車載セキュリティ関連の先行投資案件が増加した。

 デジタルソリューション事業は、売上高が28.2%増の10億16百万円、営業利益が48.7%増の41百万円だった。主力のクラウドサービス「Creage」やRPAライセンス販売が増加した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が113億81百万円で営業利益が8億91百万円、第2四半期は売上高が119億28百万円で営業利益が13億54百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が22年3月期比6.9%増の475億円、営業利益が6.6%増の47億50百万円、経常利益が7.7%増の51億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.5%増の33億50百万円としている。配当予想は22年3月期比2円増配の46円(第2四半期末23円、期末23円)としている。

 下期も引き続き受注が好調に推移する見込みとしている。不透明感を考慮して小幅増益にとどまる予想としているが保守的だろう。第2四半期累計の進捗率は売上高が49.1%、営業利益が47.3%、経常利益が41.1%、親会社株主帰属当期純利益が43.8%である。企業のDX投資は高水準に推移する見込みであり、年度末にあたる第4四半期の構成比が高くなる特性なども勘案すれば、通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は出直り期待

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏で軟調だが、好業績を評価して出直りを期待したい。11月7日の終値は1650円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS159円12銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の46円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1051円97銭で算出)は約1.6倍、そして時価総額は約380億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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