松田産業は23年3月期2Q累計大幅増益、通期利益予想据え置き、配当予想は上方修正

(決算速報)
 松田産業<7456>(東証プライム)は11月10日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。前回予想を上回る増収増益だった。通期連結業績予想については売上高を上方修正したが利益を据え置いた。世界景気減速で下期に貴金属関連事業おいて数量減少を想定し、インフレ影響によるコスト増加も織り込んだ。前回の業績予想修正(8月10日付で上方修正)に続いて下期予想を下方修正した形だ。ただし保守的な印象が強い。通期利益予想は再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。なお配当予想については上方修正して前期比4円増配予想とした。株価は調整一巡して徐々に下値を切り上げている。下期の下振れ懸念は織り込み済みであり、配当予想の上方修正を好感して出直りを期待したい。

■23年3月期2Q累計大幅増益、通期利益予想据え置き

 11月10日発表した23年3月期第2四半期累計(4月~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比29.4%増の1760億04百万円、営業利益が9.4%増の79億53百万円、経常利益が3.7%増の81億28百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3.0%増の56億34百万円だった。

 前回予想(8月10日付で上方修正)を上回る増収増益だった。前回予想に対して売上高は170億04百万円、営業利益は5億53百万円、経常利益は4億28百万円、親会社株主帰属四半期純利益は3億34百万円、それぞれ上回って着地した。

 貴金属関連事業は、売上高が31.3%増の1269億85百万円、セグメント利益(営業利益)が12.0%増の66億10百万円だった。貴金属リサイクルの取扱量および産業廃棄物処理受託が増加し、貴金属製品の販売量増加や貴金属相場の上昇も寄与した。

 食品関連事業は、売上高が24.6%増の490億58百万円、セグメント利益が1.8%減の13億43百万円だった。売上面は水産品、農産品の販売量が増加し、全体として販売単価も上昇した。利益面は運送費や保管料の増加などにより微減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が881億92百万円で営業利益が42億63百万円、第2四半期は売上高が878億12百万円で営業利益が36億90百万円だった。

 通期連結業績予想については、11月10日付で前回予想(8月10日付で上方修正)に対して、売上高予想を300億円上方修正したが、利益予想は据え置いて、売上高が22年3月期比21.2%増の3300億円、営業利益が0.9%増の128億円、経常利益が3.2%減の133億円、親会社株主帰属当期純利益が2.7%減の93億円としている。配当予想は11月10日付で第2四半期末1円、期末1円、合計2円上方修正して、22年3月期比4円増配の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 世界景気減速で半導体・電子デバイス業界で生産動向の下振れが予想されるため、下期に貴金属関連事業おいて数量減少を想定し、さらにインフレ影響によるコスト増加も織り込んだ。前回の業績予想修正(8月10日付で上方修正)に続いて下期予想を下方修正した形だ。ただし保守的な印象が強い。通期利益予想は再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は調整一巡して徐々に下値を切り上げている。下期の下振れ懸念は織り込み済みであり、配当予想の上方修正を好感して出直りを期待したい。11月10日の終値は2330円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS356円51銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2848円19銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約627億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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