JPホールディングスは23年3月期2Q累計大幅増益、通期利益予想を上方修正
- 2022/11/11 08:51
- 決算発表記事情報
(決算速報)
JPホールディングス<2749>(東証プライム)は11月10日の取引時間中に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。受入児童数の増加や効率的な施設運営などで増収・大幅増益だった。そして通期の利益予想を上方修正した。各施設の人員再配置などによる効率的な施設運営、各種仕入商品の価格高騰に対応した発注体制の見直しなどで、各利益は期初計画を上回る見込みだ。期後半に向けて稼働率が上昇する効果なども勘案すれば、通期利益予想には再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は10月の年初来高値圏から反落してモミ合う形だ。上方修正に対してやや反応薄の形となったが、好業績を再評価して上値を試す展開を期待したい。
■23年3月期2Q累計大幅増益、通期利益予想を上方修正
23年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比2.3%増の172億07百万円、営業利益が37.2%増の15億02百万円、経常利益が36.9%増の15億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が59.4%増の11億30百万円だった。増収・大幅増益だった。
売上面は、期初においてコロナ禍の影響を受けたが、新規施設開設(保育所2園、学童クラブ・児童館12施設の合計14施設)に加えて、新たな幼児学習プログラム導入など「選ばれる園・施設づくり」としての取り組みの効果で既存施設の受入児童数が増加した。なお第2四半期末時点の施設数は保育所209園、学童クラブ89施設、児童館10施設、合計308施設となった。
利益面は、受入児童数増加による増収効果、各施設の人員再配置など効率的な施設運営、各種費用の抑制、前期に発生していた特殊要因費用(新人事制度導入に伴う賞与支給対象期間変更による賞与引当金の増額、システム導入に伴う費用の増加など)の一巡などで大幅増益だった。特別利益には固定資産売却益2億15百万円を計上した。土地・建物を保有して運営する保育園7園に関して、保有リスクを回避するためオフバランスを検討し、7園のうち1園の固定資産(土地・建物)を売却した。
なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が85億96百万円で営業利益が7億26百万円、第2四半期は売上高が86億11百万円で営業利益が7億76百万円だった。新規施設開園が概ね4月のため、期前半は各施設への保育士配置に係る費用が先行するが、児童数が増加して稼働率が上昇する期後半に向けて収益が拡大する特性がある。
通期の連結業績予想については11月10日付で売上高予想を据え置き、利益予想を上方修正して、売上高が22年3月期比3.7%増の356億40百万円、営業利益が8.6%増の36億33百万円、経常利益が10.5%増の37億11百万円、親会社株主帰属当期純利益が12.6%増の25億66百万円とした。配当予想は据え置いて、22年3月期比1円50銭増配の6円(期末一括)としている。普通配当を50銭増配するとともに、創業30周年記念配当1円を実施する。
期初計画に対して営業利益を73百万円、経常利益を1億31百万円、親会社株主帰属当期純利益を2億41百万円、それぞれ上方修正した。各施設の人員再配置などによる効率的な施設運営、各種仕入商品の価格高騰に対応した発注体制の見直しなどで、各利益は期初計画を上回る見込みだ。親会社株主帰属当期純利益については固定資産売却益も寄与する。
修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が48.3%、営業利益が41.3%、経常利益が41.0%、親会社株主帰属当期純利益が44.0%となる。期後半に向けて稼働率が上昇する効果なども勘案すれば、通期利益予想には再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は上値試す
株価は10月の年初来高値圏から反落してモミ合う形だ。上方修正に対してやや反応薄の形となったが、好業績を再評価して上値を試す展開を期待したい。11月10日の終値は294円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS29円64銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の6円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS136円91銭で算出)は約2.1倍、そして時価総額は約258億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)