【編集長の視点】ショーケース・ティービーは続落も直近IPO株人気が再燃余地、2Q業績上方修正と業務提携・新サービス開始を見直し
- 2015/8/4 09:51
- 編集長の視点
ショーケース・ティービー<3909>(東マ)は、330円安の5130円と続落して始まっている。きょう4日の日経平均株価が、前日の米国ニューヨーク・ダウ工業株平均の3営業日続落が響いて、99円安と続落してスタートしたことが波及、同社株のも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ同社は、今年7月15日に今12月期第2四半期(2Q)累計業績を上方修正し、その2Q累計業績の発表を8月14日に予定し、この業績上方修正と同時に発表した業務提携やこれに続く新サービスの提供などの積極的な成長戦略を進めており、下値からスマートフォン関連の直近IPO(新規株式公開)株買いが再燃する展開も想定される。今年4月には新サービス開始を手掛かりに2日連続でストップ高、上場来高値9370円をつけた急騰特性の再発揮期待も高まろう。
■スマホ関連サービスが堅調に推移し成長戦略を次々と発動
2Q累計業績は、今年3月のIPO時の予想値より売り上げを1000万円引き上げて5億6000万円、営業利益を同5000万円アップさせて1億4000万円、経常利益を3600万円上積みして1億3000万円、純利益を2200万円上乗せして7800万円とした。同社は、スマートフォン向けの電子商取引(EC)などでWebサイトを最適化して成約率を高めるeマーケティング事業と、不動産会社の物件サイトの表示を最適化するなどWebサイトやアプリの課題を統合的に解決するWebソリューション事業とを主力事業として展開しているが、売り上げは、このスマホ関連のサービスが堅調に推移して上ぶれ、利益は、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)構築を内製化して費用が減少し、業務効率化で人件費を低減したことなどが上方修正要因となった。
今12月期通期業績は、IPO時の予想を据え置き売り上げ12億500万円(前期比22.5%増)、経常利益2億6100万円(同4.8%増)、純利益1億5600万円(同1.9%増)としているが、8月14日予定の2Q累計決算の動向が注目されている。
一方、7月15日に発表した業務提携は、日本オラクル<4716>(東1)とのパートナー契約と、レアジョブ<6096>(東マ)と共同でのフェイスピア(東京都渋谷区)への資本参加で、日本オラクルとの業務提携では、デジタルマーケッティングの成約率の向上を実現し、フェイスピアへの資本参加では、Web接客のためのクラウドサービスの開発・提供を目指す。また、7月16日には同社の不動産ホームページ作成・運用支援型APサービス「仲介名人」で、2年契約を条件に初期費用のみで月額費用を無料とする新プランの提供開始を発表した。次々と発動する成長戦略が、業績期待を高めている。
■25日線からの下げ過ぎ訂正で弾みをつけ「半値戻しは全値戻し」も
株価は、今年3月に公開価格1800円でIPOされ、5290円で初値をつけストップ高を交えて7650円まで買い進まれ、調整安値5340円からは、就職活動用の新卒採向けアプリの提供などを手掛かりに2日連続のストップ高で上場来高値9370円まで急伸した。最高値後の4640円の再調整安値からは、2Q累計業績の上方修正や新サービス開始などで7580円まで反騰、再調整幅の半値戻しをクリアし25日移動平均線水準で値固めを続けてきた。きょう4日の続落で25日線から10%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、全般相場の波乱が続くなか下げ過ぎ訂正の直近IPO株人気を再燃させ、相場格言の「半値戻しは全値戻し」通りに一段のリバウンドにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)