フライトホールディングスは23年3月期2累計赤字だが通期大幅増益予想据え置き

(決算速報)
 フライトホールディングス<3753>(東証スタンダード)は11月11日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。サービス事業における前期の大型案件の反動などで減収・赤字だったが、通期の増収・大幅増益予想を据え置いた。有望案件が目白押しであり、通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は「紙の健康保険証24年秋に原則廃止、マイナンバーカード事実上義務化」という政府の方針を材料視して急伸する場面があった。その後は利益確定売り優勢の形だが調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■23年3月期2Q累計は反動で赤字、通期大幅増益予想据え置き

 23年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比18.2%減の12億95百万円、営業利益が71百万円の赤字(前年同期は46百万円の黒字)、経常利益が75百万円の赤字(同41百万円の黒字)、親会社株主帰属四半期純利益が78百万円の赤字(同40百万円の黒字)だった。サービス事業における前期の大型案件の反動などで減収・赤字だった

 C&S事業は、売上高が26.0%増の4億95百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が63百万円の黒字(前年同期は14百万円の赤字)だった。物流企業からの売上増加などで増収となり、前期計上したプロジェクト損失の一巡も寄与して増益(黒字転換)だった。

 サービス事業は、売上高が30.0%減の7億49百万円、利益が82.2%減の39百万円だった。前期に電子決済ソリューション「Incredist」の大型納品があった反動で大幅減収減益だった。

 ECソリューション事業は、売上高が57.7%減の50百万円、営業利益が26百万円の赤字(同15百万円の赤字)だった。大型開発案件の開発スケジュール遅延で受注損失引当金を計上したため減収・減益(赤字拡大)だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億62百万円で営業利益が24百万円の赤字、第2四半期は売上高が6億33百万円で営業利益が47百万円の赤字だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて売上高が22年3月期比7.7%増の35億円、営業利益が39.4%増の2億20百万円、経常利益が29.4%増の2億円、親会社株主帰属当期純利益が31.5%増の1億50百万円としている。

 C&S事業は既存顧客向けシステム開発、DX推進支援、クラウドサービスを活用したシステム開発支援に注力する。サービス事業はマイナンバーカード対応の決済ソリューション「Incredist Premium Ⅱ」や無人精算機向け「VP6800/IFC」の拡販、マイナンバーカードを用いた公的個人認証サービス、Android携帯を活用したタッチ決済ソリューション「Tapion」の開発・拡販に注力する。ECソリューション事業は開発スケジュールが遅延している大型開発案件の収束、既存顧客向けECサイト構築パッケージ「EC-Rider B2B」のカスタマイズ対応に注力する。

 なお子会社のフライトシステムコンサルティングが、同じく子会社のイーシー・ライダーを23年1月1日付で吸収合併予定である。

 第2四半期累計は大型案件の反動で赤字だったが、有望案件が目白押しであり、通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は「紙の健康保険証24年秋に原則廃止、マイナンバーカード事実上義務化」という政府の方針を材料視して急伸する場面があった。その後は利益確定売り優勢の形だが調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。11月11日の終値は566円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS15円86銭で算出)は約36倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS56円50銭で算出)は約10倍、そして時価総額は約54億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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