【編集長の視点】内外トランスは反落も最高純益を伸ばす業績再上方修正と再増配を手掛かりに押し目買いも交錯

編集長の視点

■半値戻し、全値戻しへの再発進に期待

 内外トランスライン<9384>(東証プライム)は、前日14日に7円安の2069円と小幅反落して引けた。日経平均株価が、300円安と反落したことから、2000円大台を割った直近安値から100円幅超上げている同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ取引時間中の安値からは小戻して引けており、押し目買いも交錯した。10月28日に発表した今2022年12月期業績の2回目の上方修正と再増配を見直し、純利益が、前期の過去最高を大幅に更新することを手掛かりに割安修正買いが続いている。テクニカル的にも、2021年につけた株式分割権利落ち後高値から今年4月の年初来安値までの調整幅の3分の1戻し水準となっており、半値戻し、全値戻しへの再発進が期待されている。

■コンテナ運賃が下落も想定を上回り航空貨物、食品輸送も順調

 同社の今12月期業績は今年4月に上方修正されたが、その増額値をさらに上方修正した。4月修正値より売り上げを53億円、営業利益を19億6000万円、経常利益を22億3000万円、純利益を15億4000万円それぞれ引き上げたもので、売り上げ485億円(前期比37.5%増)、営業利益66億7000万円(同75.1%増)、経常利益70億1000万円(同78.7%増)、純利益48億円(同72.5%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高(27億8300万円)を大幅に連続更新する。コンテナ船運賃は、今期下期に下落と見込んでいたが、下落ペースは想定より遅れて4月増額時を上回り、子会社で展開している航空貨物では、大口の設備輸入案件を獲得し、食品輸送の取り扱いも順調に推移したことなどが寄与した。

 配当は、前回の業績上方修正時に中間配当を引き上げ年間55円(前期実績50円)に増配したが、今回は期末配当を引き上げ年間85円に大幅連続増配を予定している。なおこのほか同社は、株主優待制度も実施しており、100株保有株主に同社カタログ商品1500円相当を贈呈する。

■PER4倍、配当利回り4%の修正で3分の1戻しから半値戻し、全値戻しへ挑戦

 株価は、昨年9月の前期業績の2回目の上方修正と増配を歓迎して2015年6月末に実施した株式分割の権利落ち後高値2634円まで買われ、今年4月にロシアのウクライナへの軍事侵攻による世界同時株安の波及で年初来安値1735円まで調整した。同安値からは今期業績の1回目の上方修正、増配で2000円台を回復し、今期第1四半期の好決算では2352円まで上値を伸ばしたが、米長期金利上昇による全般相場の波乱とともに1971円まで再調整し、2回目の業績上方修正と再増配で2000円大台固めを続けてきた。足元の株価水準は、分割権利落ち後高値から年初来安値への調整幅の3分の1戻し水準になる。PERは4.19倍、配当利回りは4.10%と割安であり、半値戻しの2184円、3分の2戻しの年初来高値2352円を奪回し、全値戻しの株式分割権利落ち後高値2634円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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