ディ・アイ・システムは22年9月期大幅増収増益、23年9月期も増収増益で連続増配予想
- 2022/11/17 09:42
- 決算発表記事情報
(決算速報)
ディ・アイ・システム<4421>(東証スタンダード)は11月14日に22年9月期連結業績を発表した。収益認識会計基準適用のため増減率は非記載(損益への影響軽微)だが、新規顧客獲得、既存顧客との取引拡大などで大幅増収増益だった。そして23年9月期もシステムインテグレーション事業が好調に推移して増収増益予想・連続増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は徐々に下値を切り上げている。23年9月期予想に対してもポジティブ反応だった。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。
■22年9月期大幅増収増益、23年9月期も増収増益で連続増配予想
22年9月期の連結業績(9月16日付で上方修正、収益認識会計基準適用のため前年比増減率は非記載、損益への影響軽微)は、売上高が54億98百万円、営業利益が2億86百万円、経常利益が2億85百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億94百万円だった。配当は22年9月期比2円50銭増配の15円(期末一括)とした。
なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が21百万円増加、売上原価が21百万円増加しているが、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益への影響はなかった。影響は軽微である。収益認識会計基準適用前の22年9月期(売上高46億56百万円、営業利益2億04百万円、経常利益2億07百万円、親会社株主帰属当期純利益1億49百万円)との比較で、売上高は18.1%増収、営業利益は39.9%増益、経常利益は37.6%増益、親会社株主帰属当期純利益は30.6%増益となる。
前回予想を上回る大幅増収増益で、売上高・利益とも過去最高だった。主力のシステムインテグレーション事業が新規顧客獲得、既存顧客との取引拡大、エンジニア工数の効率的な稼働などで好調に推移した。教育サービス・セキュリティーソリューション事業は22年7月に子会社化したウイーズ・システムズの新規連結も寄与した。
システムインテグレーション事業は売上高が15.7%増の51億02百万円(業務用アプリケーション設計開発業務が14.1%増の21億69百万円、インフラシステム設計構築業務が22.0%増の21億49百万円、運用・保守が5.2%増の7億83百万円)で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が16.1%増の9億95百万円だった。
教育サービス・セキュリティーソリューション事業(セキュリティーソリューションのウイーズ・システムズを子会社化したことに伴って名称を従来の教育サービス事業から変更)は、売上高が3億95百万円(新卒向け研修サービスが26.6%増の2億58百万円、中堅向け研修サービスが19.2%減の35百万円、セキュリティーソリューションが1億01百万円)で、利益が1億85百万円だった。なお21年9月期は売上高が2億47百万円で利益が82百万円だった。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高が12億07百万円で営業利益が33百万円、第2四半期は売上高が13億40百万円で営業利益が1億54百万円、第3四半期は売上高が14億50百万円で営業利益が20百万円、第4四半期は売上高が15億01百万円で営業利益が79百万円だった。四半期変動の季節要因として、システムインテグレーション事業は顧客企業の決算月となる第2四半期(1月~3月)および第4四半期(7月~9月)の構成比が高くなる傾向がある。教育サービス事業は新入社員向け研修で第3四半期(4月~6月)の売上高が増加する傾向がある。
23年9月期連結業績予想は、売上高が22年9月期比16.5%増の64億07百万円、営業利益が11.2%増の3億18百万円、経常利益が11.1%増の3億17百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.5%増の2億13百万円としている。配当予想は22年9月期比5円増配の20円(期末一括)としている。連続増配予想である。
セグメント別計画は、システムインテグレーション事業の売上高が14.6%増の58億48百万円で利益(全社費用等調整前営業利益)が14.3%増の11億37百万円、教育サービス・セキュリティーソリューション事業の売上高が41.2%増の5億58百万円で利益が8.8%増の2億01百万円としている。
DX関連の需要が高水準であり、主力のシステムインテグレーション事業の好調が牽引して増収増益予想としている。元請け案件の獲得増加によって利益率の向上も目指すとしている。教育サービス・セキュリティーソリューション事業では、前期スタートしたメタバース関連研修の提供を強化し、ウイーズ・システムズの通期連結も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は下値切り上げ
株価は徐々に下値を切り上げている。23年9月期増収増益・増配予想に対してもポジティブ反応だった。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。11月16日の終値は771円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS73円46銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS363円34銭で算出)は約2.1倍、そして時価総額は約24億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)