【編集長の視点】ラクト・ジャパンは続落も決算発表を先取り創立25周年の来期業績に期待して突っ込み買い一法

編集長の視点

■11月14日にシンガポールに乳製品の新工場を建設

 ラクト・ジャパン<3139>(東証プライム)は、前日8日に22円安の2050円と3営業日続落して引け、取引時間中には2025円と配当権利落ち後安値2043円まで売られた。ただ同安値は、長大下ヒゲでつけ下げ幅をやや縮小して引けており、来年1月13日に予定している11月期決算の発表を先取りし突っ込み買いも一法となりそうだ。

 前2022年11月期業績が、上方修正されて純利益が2期ぶりの過去最高を更新見込みで、続く来2023年11月期業績は、同社の創立25周年となり、積極的な中期経営計画の推進で続伸が有力視され、さらに記念増配含みにあるためだ。中期経営計画の成長戦略の一つとなっているアジア事業の拡大に関連して、11月14日にシンガポールに乳製品の新工場を建設すると発表したことも、フォローの材料として見直されよう。

■東南アジア向けのチーズ製品の需要が拡大し販売価格上昇も寄与

 目下集計中の同社の前2022年11月期業績は、今年7月に上方修正され売り上げ1400億円(前々期比26.3%増)、経常利益31億円(同15.6%増)、純利益22億5000万円(同14.8%増)と見込まれ、期初予想の前々期比1ケタ増益転換予想が2ケタ増益転換と伸び、純利益は、2020年11月期の過去最高(20億6200万円)を更新する。乳製品事業ではコロナ禍収束後の猛暑到来でアイスクリーム、チョコレート、飲料向けなど業務用中心に需要が回復し、チーズ製造販売事業では、東南アジア経済のコロナ禍からの回復が順調で、とくにシンガポール、フィリピン向けの販売が拡大し、チーズ原料の価格高騰に伴い販売価格も上昇したことなどが寄与した。なお前期配当は、年間37円(前々期実績32円)と連続増配を予定している。

 続く2023年3月期の業績動向については、来年1月の決算発表時の業績ガイダンスを待たなければならないが、同社が積極的な中期経営計画を推進していることから続伸が有力視されている。同計画では、2024年11月期の目標業績として売り上げを1500億円、経常利益を39億円、純利益を28億5000万円と設定しているためだ。また今2023年11月期は、設立25周年になるため配当性向の20%への引き上げも中期計画で公表しており、連続増配が見込まれる。

■PER8倍、PBR1倍の修正でまず年初来高値からの調整幅の半値戻し期待

 株価は、コロナ禍のなか売られた年初来安値1787円から売られ過ぎとして2000円大台にリバウンドし、今年7月の業績上方修正とともに窓を開けて年初来高値2582円まで買い進まれた。同高値後は、この時開けた窓を埋める調整となりほぼ往って来いの2001円まで下げ、新工場建設と期末の配当権利取りで2174円と買い直されたものの、配当権利落ち後の足元は落ち後安値追いとなった。ただPERは前期推定ベースで8.9倍、PBRは1.03倍と売られ過ぎを示唆しており、まず年初来高値から直近安値への調整幅の半値戻しとなる2300円台奪回に進もう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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