【注目銘柄】今仙電機製作所は需給が改善する材料株として注目

注目銘柄

 今仙電機製作所<7266>(東証プライム)は9日、7円高(1.07%高)の664円と続伸でしっかり。

 同社は、11月24日に同社は115万株(5.00%)・8億5000万円を上限に11月25日から23年11月24日まで自社株買いを実施すると発表済だが、12月5日引け後に開示した自社株取得状況では、11月累計で30,000株・20,022,800円取得したことがわかっており、需給が改善される材料株として注目したい。

■マツダ、ロームとの共同開発が注目材料

 同社は、拡大が進む自動車の電動化に向けて、独自の電動車向け電源システムとインバータの電力変換効率と発生する電磁ノイズに示される背反事象を解消する新技術の開発を進めているが、11月22日にマツダ<7261>(東証プライム)の進める自動車の電動化への取り組みに関連して、同社との協業体制により、電動駆動ユニットの開発・生産に関する取り組みを強化していくと発表したと同時に、今仙電機製作所<7266>(東証プライム)は、マツダ<7261>(東証プライム)とローム<6963>(東証プライム)の三社間で、マツダ<7261>(東証プライム)のe-Axle構想を支えるインバータに関する共同開発契約を締結したことが注目材料。

 ローム<6963>(東証プライム)が、インバータの小型化を含む、マツダ<7261>(東証プライム)の性能要件を支えるためのSiCパワー半導体モジュールの開発を担当するが、今仙電機製作所<7266>(東証プライム)はそのSiCパワー半導体を活用し、同社独自の高効率化技術を使ったインバータの開発を推し進める。インバータ基幹部品のパワーモジュールを含む共同開発を三社で行うことにより、各社の知見を投入し、小型・高性能・高効率の電動駆動ユニットの創出を目指すという。

 SiCパワー半導体は、電動車向けに大幅に増加することが見込まれているうえ、ローム<6963>(東証プライム)が25年までにSiC半導体で世界シェア首位を目指していることから、同社との共同開発に対する期待は高い。

■広島サミット開催が刺激材料へ

 また、23年5月に広島サミットが開催されることから、広島県府中町に本社を構えるマツダ<7261>(東証プライム)が関連銘柄として折に触れ物色されるのは至極当然。今仙電機製作所<7266>(東証プライム)が電子事業の強化のため、21年5月に広島工場内に第2テクニカルセンターを竣工したことも刺激材料として浮上しそうだ。

 同社は、足元の業績は、今23年3月期売上高995億円(前期比16.8%増)、営業損益6億5000万円の赤字(同7000万円の赤字)、経常利益6億2000万円(同0.5%増)、最終損益7億3000万円の赤字(同12億1000万円の赤字)を見込むが、来24年3月期大幅回復が観測されており、広島サミット開催が本格浮上の契機になる可能性大。

■60か月移動平均線を突破するか注目

 株価は、2014年9月16日につけた上場来高値2799円から11月2日に年初来安値535円まで8年間調整したが、上値抵抗線の24か月移動平均線(649.9円)を突破した後、三角保ち合いを形成しつつある。自社株買いで需給は改善する方向で、来期業績回復が観測され、PBR0.29倍と割り負けしており、中長期狙いで60か月移動平均線を突破するか注目したい。(信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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