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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】プラマテルズは07年以来の高値水準、第1四半期増収増益で指標面に依然として割安感
- 2015/8/6 08:27
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
プラマテルズ<2714>(JQS)は合成樹脂の専門商社である。株価は第1四半期(4月~6月)の増収増益を好感して7月30日に538円まで上伸した。07年以来の高値水準だ。16年3月期は増収営業増益予想で、1桁台の低PER、0.5倍近辺の低PBR、3%台の高配当利回りと指標面の割安感は依然として強い。上値追いの展開だろう。
■双日グループの合成樹脂専門商社、高付加価値商材を拡販
双日<2768>グループで、プラスチック原材料・製品・関連機器の専門商社である。エンジニアリング系樹脂、スチレン系樹脂を主力として、オレフィン系樹脂、塩化ビニール系材料なども取り扱っている。
需要先はOA・事務機器、光学機器を主力として、家電・電子、医療機器、建材、自動車、容器・化粧品、玩具・その他と幅広い。原材料メーカーと販売先を繋ぐ高い提案営業力を強みとしている。
高付加価値商材の拡販、良質な商権を持つ優良会社の営業権取得やM&Aを積極化するとともに、海外は中国、ベトナム、フィリピン、タイ、インド、台湾などアジア地域に積極展開している。中期戦略では17年3月期に向けた目標として経常利益10億円、自己資本比率30%維持、安定配当の継続を掲げている。
■16年3月期第1四半期は増収増益で順調
なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)138億45百万円、第2四半期(7月~9月)141億23百万円、第3四半期(10月~12月)146億70百万円、第4四半期(1月~3月)143億99百万円、営業利益は第1四半期1億86百万円、第2四半期2億02百万円、第3四半期2億16百万円、第4四半期1億94百万円だった。堅調な推移だ。
また15年3月期の配当性向は26.2%だった。ROEは14年3月期比2.2ポイント上昇して6.1%、自己資本比率は同3.9ポイント上昇して34.4%となった。配当政策については、将来の事業展望(海外展開およびM&A)と経営基盤・財務基盤の強化のため必要な内部留保を確保しつつ、安定的な配当の継続を実施していくことを基本方針としている。
7月29日に発表した今期(16年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.3%増の145億77百万円、営業利益が同6.5%増の1億98百万円、経常利益が同5.1%増の1億90百万円、純利益が同7.1%増の1億30百万円だった。
高付加価値商材が堅調に推移し、円安も寄与して海外売上高が同18.6%増の52億85百万円の大幅増収となった。売上総利益率は同0.2ポイント上昇して6.0%となった。
主要商材の売上高はエンジニアリング系樹脂が同10.5%増の68億87百万円、スチレン系樹脂が同1.6%減の29億06百万円、オレフィン系樹脂が同6.4%減の14億52百万円、塩化ビニール系材料が同10.4%増の6億38百万円、製品(合成樹脂関連他)が同14.7%増の22億02百万円だった。
通期の連結業績予想は前回予想(4月28日公表)を据え置いて、売上高が前期比4.3%増の595億円、営業利益が同2.7%増の8億20百万円、経常利益が同2.5%増の8億円、純利益が同横ばいの4億90百万円としている。配当予想は同1円増配の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)で予想配当性向は27.9%となる。
高付加価値商材の好調が牽引して増収営業増益予想だ。なお想定為替レートは1米ドル=120円(15年3月期は1米ドル=105円88銭)としている。そして通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.5%、営業利益が24.2%、経常利益が23.8%、純利益が26.5%と概ね順調な水準である。
グループ全体の連携強化や海外拠点の有機的活用で、得意先である海外進出日系企業との取り組みを拡大し、顧客密着型の営業を強化する。中期的にもアジア地域への積極展開で収益拡大基調だろう。
■株価は07年以来の高値水準、指標面の割安感強く上値追い
株価の動きを見ると、第1四半期の増収増益を好感して7月30日に538円まで上伸し、5月の527円を突破して年初来高値を更新した。そして07年10月以来の高値水準だ。
8月5日の終値508円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS57円32銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は3.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS998円75銭で算出)は0.5倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドだ。16年3月期は増収営業増益予想で、1桁台の低PER、0.5倍近辺の低PBR、3%台の高配当利回りと指標面の割安感は依然として強い。上値追いの展開だろう。