ネオジャパンは23年1月期3Q累計小幅減益だが進捗率高水準、配当予想を上方修正
- 2022/12/14 08:55
- 決算発表記事情報
(決算速報)
ネオジャパン<3921>(東証プライム)は、12月13日の取引時間終了後に23年1月期第3四半期累計連結業績を発表した。ソフトウェア事業はクラウドサービスが牽引して順調だったが、システム開発サービス事業の売上減少や販管費の増加などで小幅減益だった。そして通期の減益予想を据え置いた。ただし第3四半期累計の利益進捗率は高水準だった。第4四半期にCM動画の費用が発生する見込みとしているが、この点を考慮しても通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。なお配当予想を上方修正(記念配実施で2回目の上方修正)した。株価は年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。配当予想の上方修正も評価して出直りを期待したい。
■23年1月期3Q累計小幅減益、通期据え置きだが上振れ余地
23年1月期第3四半期累計連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響軽微)は、売上高が前年同期比1.9%増の44億62百万円、営業利益が3.0%減の9億60百万円、経常利益が3.3%減の10億52百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.6%減の7億07百万円だった。
ソフトウェア事業はクラウドサービスが牽引して順調だったが、システム開発サービス事業の売上減少や販管費の増加などで小幅減益だった。売上総利益は5.2%増加して売上総利益率は1.7ポイント上昇、販管費は11.7%増加して販管費比率は2.7ポイント上昇した。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高は21百万円増加、売上原価は7百万円増加、営業利益、経常利益および税金等調整前四半期純利益はそれぞれ14百万円増加している。
ソフトウェア事業は売上高が9.1%増の31億48百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が6.6%増の9億85百万円だった。クラウドサービスの売上高は利用ユーザー数の増加で13.0%増の19億97百万円(主力のグループウェアdesknet‘s NEOクラウドが11.9%増の16億56百万円、ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuiteクラウドが51.2%増の97百万円など)と順調に拡大した。プロダクトの売上高は2.4%増の10億94百万円だった。サポートサービスは12.2%増の5億96百万円と順調だったが、大規模ユーザー向けdesknet‘s NEOエンタープライズライセンス売上が追加ライセンス減少の影響で5.7%減の1億36百万円だった。技術開発の売上高は従来からの継続案件が堅調に推移して14.4%増の56百万円だった。利益面では販売目的ソフトウェアの減価償却費が増加したが、増収効果で増益と概ね順調だった。
なおクラウドサービスやサポートサービスの売上拡大により、ソフトウェア事業におけるストック型売上比率は2.8ポイント上昇して76.3%となった。また22年10月末時点のクラウドユーザー数は、desknet‘s NEOが45千ユーザー増加して480千ユーザー、AppSuiteが12千ユーザー増加して41千ユーザーとなった。パッケージ版を含めたdesknet‘s NEO全体の累計販売実績は477万6千ユーザーとなった。
システム開発サービス事業(子会社Pro-SPIRE)は、主要顧客の体制縮小の影響で売上高が12.3%減の13億28百万円、販管費の増加も影響してセグメント利益が51.9%減の48百万円だった。海外事業はコロナ禍による営業活動制約などで売上高が61.0%減の7百万円、セグメント利益が72百万円の赤字(前年同期は34百万円の赤字)だった。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高が14億96百万円で営業利益が3億09百万円、第2四半期は売上高が14億40百万円で営業利益が3億01百万円、第3四半期は売上高が15億26百万円で営業利益が3億50百万円だった。
通期連結業績予想(22年9月14日付で下方修正)は据え置いて、売上高が22年1月期比1.2%増の59億89百万円、営業利益が12.3%減の10億94百万円、経常利益が13.1%減の11億82百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が9.7%減の7億82百万円としている。配当予想は12月13日付で上方修正した。6月10日付(期末3円上方修正)に続いて2回目となる。期末に創立30周年記念配当1円を実施して、22年1月期比6円増配の20円(期末一括=普通配当19円+記念配当1円)とする。予想配当性向は38.1%となる。
売上面はソフトウェア事業が順調に拡大してシステム開発サービス事業の減収影響をカバーする見込みだ。利益面は人件費や広告宣伝費などの増加で減益予想としている。
ただし第3四半期累計の進捗率は売上高74.5%、営業利益87.8%、経常利益89.1%、親会社株主帰属当期純利益90.5%と利益進捗率が高水準だった。第4四半期にソフトウェア事業において、desknet‘s NEOの認知度向上に向けたCM動画放映に伴う費用の発生を見込んでいるが、この点を考慮しても通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。そして24年1月期も収益拡大基調を期待したい。
■株価は下値固め完了
株価は年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。配当予想の上方修正も評価して出直りを期待したい。12月13日の終値は987円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円48銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS345円53銭で算出)は約2.9倍、そして時価総額は約147億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)